Apr. 1, 2009
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廃物呼ばわり

http://s02.megalodon.jp/2008-0423-0924-14/www.sipec-square.net/~kseo/topics/shikeihaishi.htm

橋下の扇動

今回最も違和感があるのは、ワイドショーを通じた弁護士の扇動である。 この弁護士、テレビを通じて弁護人の懲戒請求を出すように視聴者に求めたらしい。 結果、今では、出力して署名さえすれば簡単に懲戒請求ができるウエブサイトまで登場し、 “義憤に駆られた” 視聴者が4000人くらいこれに応じている。 もっともこの弁護士は、 「 何万、何十万という形で、あの21人の弁護士の懲戒請求を立ててもらいたい。( 弁護士会は )2件3件( の懲戒請求が )来たって大あわてになる。 1万、2万とか10万人くらい、この番組を見ている人が一斉に弁護士会に行って懲戒請求をかけてくださったら( 後略 ) 」 と、10万人を目標にして扇動しているのに、わずか数千人しか応じなかったのだから日本人もあながち捨てたものではない。

橋下の理屈( ? )

この弁護士の主張は、 ①「 弁護団は、1、2審では争わなかった犯行態様について、差し戻し審で新しい主張を始めた。 しかし、主張を変えた理由を遺族や社会に説明してない 」  ②「 十分な説明をしない弁護団に対し、世間は 「 『 刑事弁護なら何をやってもいいのか 』 と憤っている。 」 だそうだが、そもそも論として、弁護団は別に主張を翻していない。 現在の弁護団は最高裁以降だから、翻すもなにも前には弁護をしていないのである。

加えて言えば、刑事裁判の弁護士がもっぱら被告人の利益を考えるのは当たり前だ。弁護士は 「 被告の 」 「 代理人 」 であるからだ。 政治家じゃないんだから遺族や社会に対する “説明責任”などもちろんもともとない。( 個人的には今回の弁護団は社会に対して説明はしていると感じているがそれはおいておく* )。 要するに、この弁護士の主張は事実上 「 犯人を弁護することが気に入らない、検察と意見が合わないのが気に入らない 」 という程度のものに聞こえるのである。 こんな程度のことをあれだけ熱をこめていえるのだからまあ芸人ではあるとでも褒めるべきか。

一般論でいえば、刑事裁判において被告の主張と検察側の主張が対立するのは当然で、だからこそ、裁判官が食べていけるのである。 だから検察と意見が違うとか、結果として被害者感情を逆なでしているとかいうような理由で、弁護士に対して 「 懲戒請求 」 をするのは無理だという気がするのである。 こんなのが通るくらいなら、「 悪辣な犯人には弁護士はつけるな 」 あるいは「 悪い犯人の弁護をするなら検察の味方をしろ 」 という話にすぐに行き着いてしまう。

最悪なのは、弁護士本人は 「 時間がもったいないから 」 というひどい理由で懲戒請求を実行してもいないこと。 自分がやりもしないことを、よく事情を知りもしない( おそらくは大して法的知識もなく、思考力も限られている )ワイドショーの視聴者などに呼びかけるのは、やりすぎというかそれこそ品位にかける行いといわざるを得ない。 被告人弁護士は、さしたる根拠もなく懲戒請求をした人間、一人一人を訴えたらいいと思う。 実際、懲戒請求をした人が訴えられ、敗訴している事例もある。

追記( 2007/12/19 )

上記の、 「 被告の弁護人に対する懲戒請求 」 は東京弁護士会が却下しました。 当然でしょう。 だって、弁護士が被告の味方するのはあたりまえだもの。

笑えるのは、大学教授ら342人が橋下の懲戒請求を大阪弁護士会に提出したこと。 まあ、当然でしょうね。 世にもくだらない方法で世間を騒がせ、 「 あれでも弁護士ィ~? 」 と、法曹界の権威の失墜を招いたんですから( 笑 )。 提出が大阪知事選の前であるので橋下は 「 自分に対する挑戦だ 」 なんていきまいてたらしいですが大笑い。 挑戦されるほどの人物じゃあないじゃないですか。 挑戦じゃなくて、ごみ掃除だよ。 ボランティアの。

でも、大丈夫ですよ、橋下さん。 大阪府知事なんかエロノックだって務まったくらいですから誰でもかまいません。 ま、人間の廃物利用ってところでちょうどいいじゃないですか。