June 20, 2010

 近ごろ楽しませてくれたヒットニュースは、漢検問題であろう。
 漢字能力検定協会とやらが何十億円という収益をあげ、それを本来ならば公益的な事業に還元しなければならないのに、なんと幹部が私腹を肥やした疑いがあると伝えられている。
 では、なぜ同協会が公益的でなくてはならないのかと言うと、財団法人であり、優遇されているからである。 例えば、預貯金すると、その利子は非課税だ。 われわれ庶民は預貯金しても、低金利なのでそれこそスズメの涙ほどの利子しかつかない上に、利子に課税されて引かれている。
 となれば、同協会が財団法人の名に隠れて、私腹を肥やすなんてとんでもないことではないか。
 というわけで、やじ馬にとって漢検の悪事ニュースは楽しませてくれているが、真の問題点は、彼らのゼニカネよりも、もっと他のところにある。
 それは、漢検の出題問題の内容とはどういうものでありまた受検するだけの値打ちがあるのかどうかという点である。
 結論から先に言おう。 ほとんど意味のない出題であるもちろん受検するだけの価値はない
 漢検の問題のほとんどは漢字の知識テストにすぎない知っているかどうかを問うだけのことである テレビのクイズ番組と同じで、典型的な知識尊重だけであって、応用とか、それを通じてものごとを考える力を測るとかといった、真の国語力養成につながる出題ではない
 だからちょっと応用がかかるとすぐ転んでしまう。 漢検ファンに質問しよう。 よろしいか。 例えば、次のことばのに最も適当な漢字を補え。
 「北四九」。 できるかな?
 正解は 「本」 。 なぜなら、北海道・本州・四国・九州よ。 これ、慶応の小学校入試の過去問。
 去年だったか、首相は漢字が読めないと言って、多くのメディア関係の者がさんざん悪口を言っていた。 しかし、その人たちの99.99%は次の語を誤読している。 例えば 「稟議書」 。 よくこれを 「リンギショ」 と読んでいるが、正しくは 「ヒンギショ」 。 「稟」 には2種類の音があり、 「倉庫」 の意味で使うときは 「リン」 、 「申し上げる」 のそれは 「ヒン」 と読む。 だから、リンギシヨと読むと倉庫について議論しようということになるではないか。 漢検合格者の多くも、おそらくリンリンリンと読んでいることであろう。
 さらに言えば、出題の花形である四字漢字熟語など、知っているというだけでは意味がない。 漢字や成績の意味の理解から一歩進めて、文章を読むということが大切なのだ。 漢字の知識の端くれをあれこれたくさん覚えるよりも、一行でもいい、いい文を読む、古典の漢詩漢文を読むということに価値があるのである。
 例えば 「令色こうげんれいしょく」 とあると、漢検受検者は反射的に 「言」 と補うことであろう。 しかしそれだけでは意味がない。 巧言令色だと 「すくなしじん」 となるぞという 『論語』 学而がくじ篇の主張を理解することが大切。 それがなかったから漢検幹部どもは文字通り 「巧言令色、鮮なし仁」 となってしまったではないか。




生まれて初めての漢字

  という漢字があります。 さあ、これをなんと読みますか? 答えは 「カブトガニ」 です。
 「足袋のコハゼ」 ってありますね。 あのコハゼを漢字で書きなさい。 ハイ、正解は です。
 それじゃ、こんどは宛て字の問題です。 「鳳梨」 という漢字2文字、これ、なんと読むでしょう? わかりますか? これは 「パイナップル」 です。
 それじゃ 「石決明」 はどうでしょう? ヘンな字ですが 「アワビ」 と読むんですよ。
 以下、難問はいくらでもでてくる。

 「日本漢字能力検定」 略して 「漢検」 のいちばんむずかしい1級の試験問題をクイズふうにならべてみるとおよそこういうことになる。
 こんな問題に答えなさい、といわれてもさっぱりわからないわからないのもあたりまえこんな漢字、ふだんの言語生活にまったく関係ないからである わたしだって人並みに教育をうけてきたが なんて、生まれてはじめて見た。 にいたっては 「国字」 つまり和製漢字だからホンモノの 「漢」 字ではない。 ニセ漢字である。 それにだいたい、コハゼどころか 「足袋」 というものがほとんど生活のなかからすがたを消しているのだから、出題じたいも滑稽である

クイズは教育にあらず

 「鳳梨」 「石決明」 などにいたっては完全なオアソビ。 明治初期の本を読んでいると 「時辰儀」 ( トケイ ) 「黙馬麦」 ( モハメッド ) 「覆盆子」 ( イチゴ ) 「漫識特」 ( マンチェスター ) 「旅館」 ( ホテル )のたぐいがいくらでもでてくる。 だれかが気まぐれにパイナップルを 「鳳梨」 と表記したからといって、それが読めるかどうかをテストするなんて正気の沙汰ではない 漱石なども宛て字の名人で 「サンマ」 を 「三馬」 と書き、 「玩弄物」 を 「オモチヤ」 と読ませた。 こんな例はキリがない。 ところが、このクイズでの試験結果が入試や就職試験でモノをいうようになっている、というからおどろいた主催者たる 「日本漢字能力検定協会」 おんみずからがこの 「検定」 を 「入試・就職の味方」 として宣伝なさっているのである なるほど日本語の表記は 「漢字」 と切っても切れない関係にある。 だから学校でも最低必要な漢字の読み書きを教える。 しかし、そのことと のたぐいを知っていることとは別問題である。
 それを悪い、といっているわけではない。 ちょっと知的なゲームとして数千数万の漢字の音訓異義を競うのは趣味道楽として結構である。 パチンコやカラオケよりは高級にみえるかもしれないけれど、まあ似たようなもの。 こういう 「漢字遊戯」 を教育や教養の問題だ、と錯覚するのはマチガイである
 もとより、 「漢検」 には難易度におうじて12段階がつくられていて、そのうち小学校卒業までに学校で教えられている漢字、たとえば 「自己」 「潮風」 「延期」 などの読み書きをテストする5級ていどの 「漢検」 は学校教育の補助になるだろうが、はじめに紹介したような 上級の問題になると、これはもう屁理屈ゲームという以外のなにものでもない
 それにもかかわらず、200万人をはるかにこえる受検者をあつめているのは、それが文部科学省認定の法人がおこなう 「検定」 であり、その結果が 「資格」 になるからである。 おそらく素朴な経営者は 「漢検準1級」 などという 「資格」 が記入されている履歴書をみると、うむ、こいつはデキるにちがいない、とカンちがいなさるのであろう。

 漢字制限に熱心なのにところで、日本の教育政策をふりかえってみると、明治35年につくられた国語調査委員会からこんにちの文化審議会にいたるまで一貫して漢字制限の方針をとりつづけてきていることに気がつく。 常用漢字をふやしたり、へらしたり、いつになっても最終結論はでそうにないが、日常の言語生活のなかでできるだけ漢字をすくなくしましょう、という基本姿勢はかわっていない。
 「漢検」 の指導監督にあたっているのは文部科学省の某局某課であり、文化審議会は文化庁の所管である。 お互い知らん顔というタテ割行政であるということぐらい、わたしにも見当はつくが、おなじ文化教育行政にかかわる国の機関がおなじ建物のなかにいながら、いっぽうで漢字は制限せよ、といい、他方では のたぐいの漢字まで読み書きできるのはエラいのですよ、といって奨励なさるとはいかなる魂胆なのであろうか。 ブレーキをかけながらアクセルを踏み込むようで珍妙である。
 このところマスコミは主催者たる協会の元幹部の背任事件を糾弾することはなはだしいが、わたしはこの協会がおこなっている 「漢検」 という事業をみて国に明確な 「言語政策」 がないことをいぶかしくおもう。 「漢検事件」 は 「刑事事件」 という以上に 「文化事件」 であるからである。





漢検協会:
文科省の検査結果
 8ヶ月間も理事に隠す
( 2009.04.14 )
 日本漢字能力検定協会( 京都市下京区 )が08年6月に文部科学省から受けた検査結果通知やそれに対する報告内容を8ヶ月間も理事に隠していたことが、協会が設置した外部調査委員会の報告書で分かった。 大久保昇理事長が代表を務める企業との取引内容を決算報告書案から削除するなど法令に反する隠蔽もしていた という。 協会の体質に改めて批判が集まりそうだ。

 報告書によると、文科省は数年前から、協会の公益法人としては過大な利益を問題視し、頻繁に検査を繰り返していた。 その度に結果は悪化し、08年の検査では 「会計処理、収支及び試算の状況」 など4項目の3段階評価が 「改善した方がよい」 ( B評価 )と 「早急に改善すべきだ」 ( C評価 )2項目ずつとなった。

 文科省は同年6月4日に結果を通知したが、協会は同6日の理事会に諮らず、同省への報告内容も理事に知らせなかった。 通知や報告内容が初めて伝えられたのは、一連の問題が発覚した後の今年2月6日の理事会だった。

 また06年度には、監査契約をした公認会計士が新公益法人会計基準の施行に伴い、大久保理事長らが代表を務める関連企業4社との取引内容を決算報告書案に盛り込んだ。 しかし、協会側は勝手にこれを削除。 関連企業との取引開始は92年にさかのぼるが、報道で明らかにされるまで理事会や評議員会に隠蔽し続けたという。

 外部調査委は関連4社との取引について 「問題の本質は大久保理事長が法律上許されない取引を行ってきたことにある」 と厳しく指摘。 「法令・指導要領順守に対する認識不足」 と釈明する協会に対し 「法制度を熟知していなかったこと自体が重大な任務違背。 責任は重い」 と非難した。

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漢検協会:
「理事長らが背任、取引で資産流出」
 調査委報告
( 2009.04.15 )
 財団法人 「日本漢字能力検定協会」 ( 京都市下京区 )が大久保昇理事長らを代表とする関連企業4社と行った取引について、協会設置の調査委員会が報告書に 「理事長と副理事長が任務に背いて法律で許されない取引を行い、資産が外部に流出した」 と記載していたことが分かった。 関連会社の一部の取引は 「利益が過大」 とし、トンネル会社の役割があったとも指摘。 背任罪の要件である 第三者への図利 任務違背 財産上の損害 ― がそろい、事実上の 「告発」 といえる内容となっている。

 内部資料によると、 協会は理事長が代表の不動産・出版会社 「オーク」 と92年から115億円 同じく広告会社 「メディアボックス」 と97年から36億円 同じく調査会社 「文章工学研究所」 と98年から6300万円 長男の大久保浩副理事長が代表の 「日本統計事務センター」 と95年から99億円の取引があった。

 調査委の報告書は、システム開発や調査開発については協会から統計事務センターに委託され、更に同社が外部へ再委託する仕組みだったと指摘。 メディア社や文章工学研究所と同様、トンネル会社の役割もあったことを明らかにした。 また、オークからの仕入れ価格が高く、同社の利益が大きすぎるとした。 このほか、協会とセンター両方から給与を支給されている職員がいるなど協会と関連会社が一体化している現状に触れている。

 協会側は 「過去の取引には合理性があり、協会財産の不当な流出はない」 としている。

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漢検協会:
理事辞任の大久保氏が会見
 陳謝、強弁…3時間
( 2009.04.15 )
 理事残留を一転して覆した日本漢字能力検定協会の大久保昇理事長( 73 )は15日、文部科学省で約3時間にわたり会見した。 「世間をお騒がせした」 と冒頭で頭を下げて陳謝したものの、時に胸を張り、笑みを浮かべ、日本漢字能力検定( 漢検 )の果たした社会的な役割への強烈な自負心をにじませた。 自身らが代表を務める関連企業との取引や検定料の妥当性について強弁した。

 一連の問題発覚から間もなく3カ月。 初めて公の場での説明に臨んだ大久保理事長は紺系のスーツに身を包み、午後5時過ぎ、約100人の報道陣の前に立った。 ぶぜんとした表情にも見える大久保理事長は 「一連の問題について関係各位、多くの受検生にご心配をかけ申し訳ございません」 と謝罪。 「当初は混乱が起こることを懸念したが、新しい体制でやった方がいいと判断した。 今後は新理事長を応援する意味で、役職はないがサポートしたい」 と理事辞任の理由を述べた。

 文科省の度重なる指導にかかわらず検定料の引き下げに応じなかったことについて 「他の検定に比べると私たちの検定料は安い。 値打ちのない検定だったら世間は評価しない。 受検生が多いのは支持を受けている証拠」 と自説を展開した。

 関連会社4社との不透明な取引については、長男の大久保浩副理事長( 45 )が 「利益相反取引の定義もよく分からず、法令順守の面で問題があったことは真摯( しんし )に受け止めたい」 。 一方で理事長は 「( 関連会社は )漢検ができるまで貢献してきた。 私物化と言われても答えようがない」 とかわした。

 利益の私的流用は 「ございません」 ときっぱり答えた うえで 「私財をなげうってやってきたことで理事も評議員も好意的に見てくれた。 国語の基本である漢字能力を上げて日本文化の向上に相応の貢献をするという哲学は今後も変わらない」 と胸を張った。

 会見では協会の弁護士が、大久保理事長に 「殺すぞ」 などと書かれた脅迫状が届いていることを明らかにした。 京都府警五条署に被害届を出したという。

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漢検協会:
副理事長、レースチーム取締役兼務
 関連会社の収益投入
  報道後、辞任登記
( 2009.04.17 )
 財団法人 「日本漢字能力検定協会」 ( 京都市下京区 )の大久保浩・前副理事長が、自動車レーシングチーム運営会社の取締役を務めていたことが分かった。 前副理事長が代表の情報処理会社 「日本統計事務センター」 は同チームのメーンスポンサーだったことが既に判明しており、情報処理会社が協会との取引で得たとみられる収益の一部が、前副理事長が取締役のチームに投入されていたことになる。

 レーシングチーム運営会社は 「JIMゲイナー」 ( 京都府宇治田原町 )。 05年には独立系レーシングカー開発会社 「童夢」 と提携し 「ルマン24時間」 に出場した。 その後も、市販車を改造したマシンで争う国内最高峰のレース 「SUPER GT」 に参戦している。

 日本統計事務センターは95年以降、協会と99億円に上る取引があり、少なくとも昨年まで年間億単位とされる同チームのメーンスポンサーを務めた。 協会の調査委員会は、センターが協会から委託されたシステム開発や調査開発業務を他社に再委託し、利益を中抜きしていたと指摘している。

 毎日新聞は2月中旬の紙面で 「日本漢字能力検定の収益がレースに投入された可能性がある」 と指摘。 掲載の2日後、前副理事長は 「JIMゲイナー」 の取締役辞任を登記している。

 協会関係者によると、前副理事長はカーレース好きで知られ、協会本部ビル2階の漢字資料館には、漢字で装飾を施したレーシングカーを展示。 前副理事長は15日の会見で 「漢検から資金が流れたという疑義を持たれたことに責任があると思う。 車の展示はスポーツの教育的効果を重視したものだ」 と答えていた。

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漢検協会:
取引額の9割を温存
 前理事長の関連会社と
( 2009.04.17 )
 財団法人 「日本漢字能力検定協会」 ( 京都市下京区 )が、文部科学省への改善報告書の中で契約を解消するとした大久保昇・前理事長の関連会社2社との取引額が、08年度実績で関連4社合計額の1割にすぎないことが分かった金額ベースで取引全体の約9割が温存されることになる 京都地検はこうした不透明な取引などが背任にあたる可能性もあるとみて捜査しており、協会関係者によると、大久保浩・前副理事長や元職員らが既に任意で事情を聴かれている。

 文科省に提出された改善報告書などによると協会は08年度、前理事長が代表のオーク メディアボックス 文章工学研究所 ― の3社と計13億1767万円、長男の前副理事長が代表の日本統計事務センターと11億8646万円の取引があった。 このうち協会が取引解消を決めたのはメディアボックス( 2億6336万円 )と文章工学研究所( 600万円 )の2社だけ。 協会は日本統計事務センターとの取引のごく一部も解消するとしている。

 協会の外部委員会は今月初め 「( 前理事長親子の )取引見直しへの関与は到底許されない」 とする内容を盛り込んだ報告書をまとめた。 協会は前理事長親子は 「理事会で議決権を行使していない」 としているが、多額の取引をしているオークと日本統計事務センターとの取引継続を決める過程には深く関与していたとみられる。

 また、取引の継続が承認された10日の理事会は親子以外の理事当人の出席は2人だけで、他は代理出席や委任状の提出で済ませていた。 外部委はこうした状況についても 「理事1人や2人の出席では、実質的な討議の場と考えられない」 と批判していたが、これも無視されていた。

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漢検協会:
関連会社、再委託で利益率50%
( 2009.04.20 )
 財団法人 「日本漢字能力検定協会」 ( 京都市 )の大久保浩前副理事長を代表とする情報処理会社 「日本統計事務センター」 が、協会から業務委託された日本漢字能力検定( 漢検 )の事務を他社へ再委託した際の利益率が50%に上っていたことが分かった。 業務を右から左へ 「丸投げ」 しただけで、受注額の半分を手にしていたことになる

 協会の外部調査委員会の調べなどによると、同社は08年度、協会から約11億9000万円の業務を受注。 このうち 漢検の受け付け業務 採点業務 決済業務 ― で計10億円近くに上り、採点業務のごく一部を除いて他社に再委託していた。

 協会から受け取る手数料は、受検者1人当たりの採点作業料が180円などと単価が決められており、それに受検者数を掛けた金額を協会に請求。 別の会社に低い価格で再委託することで、おおむね50%の利益率を保っていたという。

 漢検業務そのもの以外のシステム開発でも、協会から9000万円で受注した業務を2000万円で再委託したケースもあったことが既に判明している。

 調査委は受け付けや採点業務の外部委託自体は合理性があるとしているが 「日本統計事務センターが別の会社に再委託している事実をみると、同社に委託する必然性はない」 としている。

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漢検協会:
検定含め活動停止すべきだ
 文科省が新理事長に
( 2009.04.20 )
 公益事業による過大な利益などが問題となっている財団法人 「日本漢字能力検定協会」 ( 京都市 )の新理事長に16日付で就任した鬼追明夫弁護士( 74 )が20日、文部科学省を訪れ、清水潔生涯学習政策局長と面会した。 清水局長は 「出すべきうみはしっかり出してほしい」 と述べ、改善のめどがつかない限り、6月に予定されている検定事業も含めて対外的な活動を停止、延期すべきだとの考えを示した。 鬼追氏は 「予定通り検定を実施したい」 と訴えた。

 清水局長は、協会が継続の意向を示している前理事長らのファミリー企業2社との取引について、解消を再検討するよう指導。 また既に解消を決めた2社には損害賠償請求を検討するよう求めた。 文科省が今年度の検定の後援と、成績優秀者に交付してきた 「文部科学大臣賞」 を取り消すことも通知した。

 鬼追氏は 「協会職員11人と 『再生100日プロジェクト』 を進めるチームを作った」 と刷新を強調したが、清水局長は 「100日を待つことなく、可能な限り速やかな対応が必要」 と求めた。

 また鬼追氏は面会後、記者団に 「( 新体制では )大久保色は残さない」 と語り、大久保昇前理事長や長男の浩前副理事長と距離を置く考えを示し、連休明けにも開く評議員会で、理事の全面的な入れ替えも検討することを明らかにした。

 一方、2社との取引継続については 「他業者に委託してできるのかという実務上の問題がある。 短絡的にやめるわけにはいかない」 と主張。 プロジェクトでは 「実務を掌握していた前副理事長には意見を聞く必要がある」 とも述べた。

 ファミリー企業との取引が背任罪に当たるとの指摘については、 「( 前理事長らに )自らの利益を図る目的がなければ、協会に損害があっても背任にはならない。 ( 背任が )明確に把握できれば裁判や交渉で損害を回復する」 とした。

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漢検協会:
前理事長在職時に5300万円退職金
 全額返却
( 2009.04.20 )
 公益法人として不適切な運営が指摘されている財団法人 「日本漢字能力検定協会」 ( 京都市下京区 )の大久保昇前理事長が1年半前、在任中にもかかわらず理事会や評議員会に諮らないまま約5300万円に上る退職金を受け取っていたことが分かった また、前理事長は 協会名義のクレジットカードを使用したり自宅などの警備費用を協会に負担させたりしていたことも判明した 協会が20日明らかにした。

 退職金はその後全額返却され、カード使用分は関係会社オークが協会に支払っているが、前理事長は15日の記者会見で協会の私物化や資金の私的流用を強く否定しただけに批判が集まりそうだ。

 協会によると、退職金が支払われたのは07年9月。 前理事長は 08年6月に約4400万円 同10月に約700万円 09年1月に約200万円を協会側に返却した。 在任中に退職金が支払われた理由や返却の経緯は協会が調査している。

 また、協会は02年11月9日から退任する今月15日まで、京都市西京区の前理事長宅などの警備費用を負担。

 協会名義のクレジットカードの使用では、前理事長が負担すべき使用分について協会から請求を受けたオークが支払っていたという。 オークの売り上げの78%は協会との取引が占め、約11億7100万円を内部留保している。

 大久保前理事長は会見で 「私は無給。 退職金なんてないんじゃないの」 と話し、私的流用については 「ございません。 漢検にお金を出すことしか考えていなかった」 と否定していた。

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漢検協会:
本人同意なければ理事長解任できず
 …… 協会の定款
( 2009.04.21 )
 公益法人としての不適切な運営が批判されている財団法人 「日本漢字能力検定協会」 ( 京都市 )の定款は、理事長ポストについて本人の同意がない限り理事会や評議員会の議決によって解任できない特異なもの だったことが分かった。 理事や評議員らの役員人事も理事長が一手に掌握 しており、協会の外部調査委員会は 「理事長の地位は不可侵だった」 との表現で、独断専行ぶりが目立った大久保昇前理事長時代の体制を非難している。

 協会の定款によると、理事の解任は 「一定の理由がある場合、理事及び評議員のそれぞれ3分の2以上の議決により、理事長が解任できる」 と規定。 理事会と評議員会が解任を決めても、理事長の裁量で覆すことができることを明文化した上、理事長の最終的な解任権も理事長自身が握る仕組みをとっていた。

 また、理事の業務執行を監督する立場にある評議員や監事も同様に、理事長が解任権を有していた。

 調査委は 「特定の理事( 前理事長 )に役員人事の権限をすべて集約させ、財団法人の適正な運営を行ううえで問題があった」 と指摘。 協会はこれを受けて、理事長の解職は理事会ができる 理事の解任は評議員会で行う 評議員は指名委員会で解任できる ―― と定款を改め、15日に提出した文部科学省への改善報告書に盛り込んだ。

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漢検協会:
漢検システム半額以下で再委託
 前副理事長 関連企業・協会から過大利益
( 2009.04.21 )
 財団法人・日本漢字能力検定協会( 京都市 )が、大久保昇前理事長らが代表を務める親族企業4社と巨額の取引を行っていた問題で、4社のうち大久保浩前副理事長が代表を務める採点業務などの請負会社 「日本統計事務センター」 が、採点や決済など検定業務のシステム開発に関し委託料の半額以下で別会社に再委託していた疑いの強い ことが21日、関係者の話でわかった。 同センターがゲームソフト用の一部著作権料に関し、協会に対して業者から受け取った額の約1割しか支払っていなかったことも判明。 不適切な利益取得の構図が浮かんだ。

 調査報告書や内部資料によると、協会は平成7年から同センターと取引を始め、検定試験の採点、検定料の決済業務や、これらの業務に絡むシステム開発などを委託。 20年度までの14年間の取引総額は約99億3700万円 にのぼるという。

 同センターは、このうち検定業務のシステム開発に絡み、17年10月~20年9月の3年間で、協会に対して約3億770万円を請求。 センターは別の3社に再委託していたが、3社には約44%の約1億3540万円しか支払っていなかった。

 協会が設置した調査委員会は報告書では、このうち委託業務の一つの 「新基幹システム構築費」 について、協会への請求額が約9000万円だったのに対し、同センターが再委託先への支払額は2000万円だったと説明していることを取り上げ、 「得ている利益が過大である疑念は払拭( ふっしょく )できない」 と指摘している。

 一方、試験問題などのデータ使用に関し、同センターが携帯ゲーム機用ソフトの製造・販売会社とライセンス契約を交わす一方、協会には同社からの著作権料の1割のみを納める契約を交わしていたことも判明。 協会とセンターの契約書の押印者は、いずれも浩前副理事長だったという。

 さらに、携帯電話サイトに関する別会社とのライセンス契約に関しては、センターは協会に著作権料を支払っておらず、2社が平成20年9月期までの2年間で支払った著作権料計約7600万円のうち、協会に渡ったのはわずか約700万円だったという。

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漢検協会:
前理事長に2億円配当
 関連会社を迂回し利益
( 2009.04.23 )
 財団法人 「日本漢字能力検定協会」 ( 京都市 )の関連会社2社から大久保昇前理事長一族に年間約7800万円の株式配当金が支払われていた ことが分かった。 そのうち大久保前理事長には年間約3900万円、06年度までの6年間では約2億円が配当されたとみられる。 2社の利益の約8割は、多くが不必要と指摘されている協会との取引によるもので、協会の利益が迂回( うかい )して前理事長一族に流れた形だ。 文部科学省は両社との取引を解消するよう求めている。 関係者によると、前理事長が代表の不動産・出版会社 「オーク」 と長男の大久保浩前副理事長の情報処理会社 「日本統計事務センター」 。

 オークが発行した13万株のうち前理事長が約7万8000株、前副理事長ら親族3人が計約3万株、前理事長が代表を務め 「トンネル会社」 の疑いがある広告会社 「メディアボックス」 も2万株を保有。 オークは03~06年、総額6500万円を配当した。 01~06年度累計で前理事長に約2億円、一族とメ社に約1億3000万円が支払われた計算という。

 また日本統計事務センターの株数は2万8000株で、ほぼ9割を前副理事長が保有。 05、06年度に総額1400万円を配当、前副理事長には約1260万円の配当があった。

 両社の売り上げの8割は協会との取引が占め、06年度の金額はオークが約9億9000万円、日本統計事務センターが約11億7000万円だった。

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漢検協会:
損賠など求め関連会社を提訴へ
 本部ビルの購入は白紙
( 2009.04.25 )
 財団法人 「日本漢字能力検定協会」 ( 京都市 )は24日、不適正な取引で協会の資産を得たとして、大久保昇前理事長らが役員を務める関連会社に対し、損害賠償や不当利得返還の訴訟を起こす方針を固めた。 流出した資産が損害と債権のどちらに当たるか検討し、過去の取引総額約250億円から時効分を差し引いて額を決める。 この訴訟に伴い、協会が20億円で関連会社から本部ビルを購入する計画は、白紙に戻す。

 協会関係者によると、協会は前理事長や長男の大久保浩前副理事長が代表を務める関連会社4社との間で原則禁止されている協会と理事長らの利益が相反する取引を理事会の承認なしに行い92~08年度に合計約250億円を支払った これを不法行為に基づく損害とみると時効は3年、商事債権とみれば同5年となる。 判明している06~08年の3年間の取引額は約74億円。

 一方、協会は前理事長が代表の不動産・広告会社 「オーク」 所有の本部ビルを賃借しており、文部科学省に出した改善報告書にこのビルの購入計画を盛り込んだ。

 しかし、20億円もの協会資金が再び関連会社に流れることへの批判もあることから、購入をやめて賃借を継続する。

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漢検協会:
「漢検」 関連3社
 再委託で差益30億円
  …… 取引全面見直しへ
( 2009.04.26 )
 財団法人 「日本漢字能力検定協会」 と関連4社との取引の全容が、関係者の証言で明らかになった。

 協会は2006年度から3年間で4社に対して計約61億円の業務を委託しこのうち3社が大半の業務を別の会社に再委託し約30億円の差益を得ていた 4社からは、大久保昇・前理事長( 73 )、長男の浩・前副理事長( 45 )ら親族計5人に、報酬や配当として6億円以上が流れていた。 鬼追(きおい)明夫理事長( 74 )は内部調査を進めるとともに、取引の全面見直しを進める。

 関係者によると、約15億円と差益が最も高額だったのは、浩・前副理事長が代表を務める情報処理会社 「日本統計事務センター」 。

 大久保前理事長が代表を務める3社のうち、調査研究会社 「文章工学研究所」 以外の出版会社 「オーク」 は約12億円、広告会社 「メディアボックス」 が約3億円の差益を得ていた。

 協会は4社に、書籍製作や広告、採点業務などを3年間で計1500万~31億円で委託。 文章工学研究所以外の3社は、別の20~30社に約5億~16億円で再委託していた。 日本統計事務センターは、各年度約8億~12億円で、委託された業務のほとんどを外注しており、外注の総額は約4億~6億円だった。

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漢検協会:
漢検協会をめぐる資金の流れ
 前理事長一族に年3億円流入
  漢検協会 不透明取引
( 2009.04.27 )
 財団法人 「日本漢字能力検定協会」 ( 京都市下京区 )をめぐる不透明な取引問題で、大久保昇前理事長( 73 )や長男の浩前副理事長( 45 )ら家族4人が協会と前正副理事長が代表を務める関連4社から役員報酬・給与や不動産賃料株の配当の3つのルートでおおむね1年間に計3億1100万円を得ている ことが、協会関係者への取材で分かった。 また 関連4社は協会との取引業務の大半を別会社に再委託して利益を 「中抜き」 しており純利益は1年間で計2億8100万円に上る 協会の資産が関連会社を介して大久保一族へ流れ込む構図が浮かぶ
 協会関係者によると、役員報酬や給与として、関連4社が昇前理事長や浩前副理事長らに計1億8200万円、協会は計1400万円を支払った。

勤務実態なし
 鬼追( きおい )明夫理事長(74)は21日の会見で、協会が勤務実態のない親族に給与を出していたことを明らかにした。
 4社からの報酬などの内訳は 出版会社 「オーク」 が1億円( 2007年12月期 ) 情報処理会社 「日本統計事務センター」 4500万円( 08年9月期 ) 広告会社 「メディアボックス」 3100万円( 08年5月期 ) 調査研究会社 「文章工学研究所」 600万円( 08年3月期 )―― だった。
 関連4社の株式は大久保一族と関連会社が100%所有し、一族への配当金は計7900万円に上る。
 オークの場合、07年12月期末の発行済み株式数は13万株で、配当は1株500円だった。 配当額は 大久保前理事長が約3900万円( 所有数7万7720株 ) 浩前副理事長約700万円( 同1万3430株 ) 前理事長の長女約800万円( 同1万6350株 ) 前副理事長の妻約100万円( 同2500株 )―― だった。 残り2万株を所有するメディアボックスが1000万円の配当を受けた。

6件用途不明
 大久保前理事長らは昨年、国内外に所有する土地・建物の10物件をオークとメディアボックスに貸したとして、賃料名目で3600万円を得ていた。 しかし、従業員寮としてメディアボックスに貸したとされる右京区の物件は実際には使用されていない。
 協会関係者によると、ほかにも、オークから賃料を得ている米国コロラド州や守山市、北海道小樽市、名古屋市など6物件は用途が分からないという。
 関連会社に、多額の純利益が出ている。 純利益はオークが1億7800万円( 07年12月期 ) 日本統計事務センター8500万円( 08年9月期 ) メディアボックス2600万円( 08年5月期 ) 文章工学研究所マイナス800万円( 08年3月期 )だった。

「私物化ない」
 協会は07年度、関連4社との間で約24億8000万円の取引があった。 協会の設けた調査委員会は、関連会社が大半の業務を他社に 「丸投げ」 して差益を得ているため取引の必要性を否定し、 「協会の資産が外部に流出した」 と指摘した。
 大久保前理事長らは15日の会見で 「( 漢検事業の )私物化はない」 「( 関連会社に )巨額の資金は流れていない」 と反論した。
 鬼追理事長は前理事長らに対し、背任罪での告訴や損害賠償請求を検討している。

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漢検協会:
漢検協本部ビル、退去にも資金流出
 前理事長、親族企業に1億5000万円
( 2009.04.28 )
 大久保昇前理事長らの親族企業4社との不透明な取引が問題となった財団法人・日本漢字能力検定協会が、うち1社の 出版・不動産賃貸 「オーク」 ( 京都市西京区 )から借りている本部ビル( 同市下京区 )を現段階で解約しても保証金の75%に当たる1億5000万円が同社側に渡る契約となっている ことが28日、分かった。賃料1年分近くが前理事長側に流れる計算で、鬼追明夫理事長が進める“脱大久保”路線の障壁となりかねない状況になっている。

 協会の内部調査委員会の報告書などによると、協会は平成8年8月から20年の契約期間で、オークから本部ビルを賃借。年約1億6000万円の賃料を支払ってきた。

 一方、協会は契約時に2億円の保証金を納めており、契約満了時には全額返還されるが、途中解約すると契約期間10~15年の場合は25%、15~20年の場合でも50%しか返還されない取り決めとなっている。このため、仮に契約13年目の現時点で解約した場合、返還される保証金は5000万円にとどまることになる。

 賃貸契約は、大久保前理事長が同社代表と協会の理事長という双方の立場から承認。今月10日に事後承認されるまで、協会の理事会に諮られていなかった。

 京都市内のある不動産関係者は、20年という長期契約について 「あまり聞いたことがない」 とし、 「安定した収入が長期にわたって得られるという意味で、貸し手に都合のいい条件になっている」 と指摘する。

 一連の問題をめぐり、鬼追理事長は、10日の理事会で承認されたオークを含む親族企業2社との取引継続についても、撤回する方針を提示。19年度の取引額が約7億7300万円だった同社への出版委託事業については、5月早々にも解消する見解を明らかにした。

 本部ビルについても 「現在支払っている賃料が妥当なのか、不動産鑑定士などに依頼し、すぐにでも検討作業に取りかかりたい」 とし、損害賠償請求の可能性を示唆。大久保前理事長が文部科学省に提出した協会の改善報告書に盛り込まれた、協会資産20億円でのオークからの本部ビル取得計画も、白紙に戻すことを明言している。

 しかし、賃貸借の解消については 「保証金が全額返ってくる状況ではなく、退去するにも移転費用や新たな保証金などの問題もある」 と困難性を認めており、調査委から 「協会資産の外部流出」 と指摘された親族企業との取引の完全解消に向け、本部ビルの賃借が足かせとなりかねない状況となっている。

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漢検協会:
関連4社、委託97%丸投げ
 中抜き3年で34億円
( 2009.04.30 )
 財団法人 「日本漢字能力検定協会」 ( 京都市 )の大久保昇前理事長らが代表を務める関連会社4社が08年度協会の委託業務の約97%( 金額ベース )を半額以下で別の会社へ再委託し約12億1000万円を“中抜き”していたことが分かった06~08年度の3年間で約33億8000万円に上る 再委託しなかった残り約3%の業務も協会の外部調査委員会から見直しを求められており、実質的には関連会社の介在がすべて不必要だったことになる。

 協会は30日に開く理事会で、いったんは取引継続を決めていた不動産・出版会社 「オーク」 と情報処理会社 「日本統計事務センター」 への業務委託の解消を盛り込んだ改革案を諮る方針。

 内部資料によると、再委託の率が特に高かったのは、取引額の大きいオークと日本統計事務センターだった。オークは08年度、8億7000万円で協会から受注した書籍製作・販売業務すべてを3億6000万円で計21社に外注。日本統計事務センターもシステム開発や採点など11億9000万円の99%に当たる業務を4億8000万円で計24社へ再委託していた。

 一方、広告会社 「メディアボックス」 は08年度、協会から受注した2億6000万円のうち広報業務7000万円を外注に出さなかったものの、調査委は 「本来は前理事長と前副理事長が行う業務で、同社を介在させる必要性はない」 と指摘。文章工学研究所との600万円の取引も、再委託先である研究者個人との取引だった。

 これらから、4社は08年度、協会から23億2000万円で受けた業務のうち22億5000万円分を10億4000万円で外注し、“中抜き”した利益は54%に上っていた計算になる。また、06~08年度の3年間で、68億8000万円の受託業務のうち66億5000万円分を32億7000万円で再委託していた。

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漢検協会:
漢検側が献金
 京都の自民、民主支部へ
( 2009.05.01 )
 財団法人 「日本漢字能力検定協会」 ( 京都市 )の大久保昇前理事長の親族企業などが、平成19年までの13年間で、京都府選出の国会議員5人が代表を務める政党支部などに、計約1000万円の政治献金をしていたことが1日、分かった。

 政治資金収支報告書によると、自民党の伊吹文明、谷垣禎一、民主党の前原誠司の各衆院議員と福山哲郎、松井孝治の両参院議員の計5人

 額が一番多かったのは福山氏。長男の浩前副理事長が代表の情報処理会社 「日本統計事務センター」 などから13~20年、福山氏が代表の党府参議院選挙区第2総支部に労務無償提供分を含め約620万円の記載があった。 浩前副理事長は個人で 「福山哲郎後援会」 に50万円を献金していた。

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漢検協会:
前理事長父子
 背任容疑で逮捕
( 2009.05.20 )
 財団法人 「日本漢字能力検定協会」 ( 京都市 )と親族企業の取引をめぐり、協会に多額の損害を与えたとして、京都地検は19日、背任容疑で前理事長の大久保昇容疑者( 73 )と長男で前副理事長の浩容疑者( 45 )を逮捕した

 大久保容疑者らは正副理事長の立場を利用して、役員を務める広告会社 「メディアボックス」 と必要のない契約を締結。 協会に水増しした業務委託費を支払わせた疑い。 協会の調査では、2008年度までの3年間に、協会は広告などの業務を別の約20の会社に約4億8000万円で発注、メディア社が仲介した形で約2億8000万円を上乗せして協会に請求していた。

 メディア社との取引は浩容疑者が提案、大久保容疑者が承認。 理事会の議案に上り承認を得たことはなかった。 大久保容疑者ら親族4人はメディア社役員として08年5月までの5年間に役員報酬計約1億5000万円と株式配当計5000万円を受け取っていた。 協会の調査委員会は文部科学省に提出した報告書で、メディア社との契約は 「外部委託の必要性すら認められない」 と指摘、 「重大な任務違背」 と批判していた。

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漢検協会:
漢検前副理事長、
 詐欺会社に投資し35億円配当
( 2009.05.24 )
 財団法人 「日本漢字能力検定協会」 ( 京都市 )をめぐる背任事件で逮捕された前副理事長の大久保浩容疑者( 45 )と、協会の関連会社など3社が、約1600人から300億円超を集めて破産した東京の資産運用コンサルタント会社に出資し、投資額の倍近い約35億7千万円の配当を優先的に得ていたことがわかった。 協会から流出した資金が、詐欺会社に投資されていた可能性が高い。 大久保容疑者は配当金を趣味のカーレースにつぎ込んでいたという。

 コンサル会社は、02年9月に設立された 「ジェスティオン・プリヴェ・ジャポン」 ( GPJ )。 警視庁などによると、GPJは為替差益で利益を出して配当するとの架空の投資話で金を集め、新規顧客から預かった金を配当に回す 「自転車操業」 を続けた末、05年7月に破産した。 元社長は06年10月、詐欺容疑で警視庁に逮捕され、翌年4月に東京地裁で懲役7年の実刑判決を受け、確定している。

 訴訟資料などによると、大久保容疑者は03年9月からGPJへの資金提供を始めた。 大久保容疑者と、漢検協会の関連会社で同容疑者が代表を務める 「日本統計事務センター」 「チャレンジ・ネット」 ( いずれも京都市 )の2社が、計約7億1千万円を投資。 GPJが破産する直前まで、計約17億9千万円の配当を得ていた。

 また、大久保容疑者が08年末まで役員を務めていたレースチーム運営会社 「JIM( ジム )ゲイナー」 ( 京都府宇治田原町 )もGPJに約12億円を投資し、約17億8千万円の配当を受け取っていた。 同容疑者と3社が得た配当額は約35億7千万円で、投資額との差益は約16億6千万円に上る。

 GPJは大半の顧客に配当金を支払っておらず、 「被害者の会」 が結成された。 破産管財人は06年7月、大久保容疑者ら一部の高額配当者に、不当利得の返還を求めて東京地裁に提訴したが、同容疑者は 「配当が詐取した金とは認識していなかった」 と主張。 07年7月、管財人側に解決金300万円を支払うことで和解した。

 協会関係者らによると、GPJの元社長と大久保容疑者は03年8月、知人の紹介で知り合った。 ともにカーレースが趣味で意気投合し、元社長は 「強いレースチームを作って欲しい」 と配当金を優先的に支払い、大久保容疑者はその大半をJIMゲイナーにつぎ込んでいたという。

 配当金などを元手に、JIM社のチームは05年6月にフランスで開かれた 「ル・マン24時間耐久レース」 や国内のレースに出場。 同社はGPJのロゴをレースカーに付けたり、元社長を国内レースに招待したりしていたという。

 協会関係者は 「詐欺会社への投資やレースの資金は、前副理事長が協会から関連会社に流出させた巨額の業務委託費が元手だった。 受検者が払った検定料が、野放図な道楽に使われた形だ」 と憤る。

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漢検協会:
前理事長の親族企業社員
 民主議員が受け入れ
( 2009.05.25 )
 日本漢字能力検定協会をめぐる背任事件で、民主党の福山哲郎参院議員( 47 )=京都選挙区=が平成19年、前理事長の大久保昇容疑者( 73 )=背任容疑で逮捕=の親族企業の社員を事務所スタッフとして受け入れ、選挙活動にも参加させていたことが23日、関係者への取材で分かった。 福山氏によると、長男で前副理事長の浩容疑者( 45 )=同=から頼まれ、同年7月の参院選を挟んだ3ヶ月間の研修として受け入れを決めたという。

 また 協会が昨年設立した各種検定の信頼性を評価する財団について、福山氏が文部科学相に設立を後押ししていたことも判明福山氏をめぐっては、京都府選出の国会議員5人の中で親族企業などから受け取った献金額が最も多かったことが明らかになっており、前理事長父子との親密な関係に道義的責任を問う声も出そうだ

 関係者によると、福山氏が受け入れたのは浩容疑者が代表の情報処理会社 「日本統計事務センター」 の社員1人。 平成19年6月から8月までの3ヶ月間、京都市内にある福山氏の事務所で研修スタッフとして働いていた。 同年7月の参院選では、民主党候補者の事務所に出入りして選挙運動も手伝っていたという。

 実際には福山氏側から金銭の出入りはなかったが、政治資金収支報告書には、福山氏が代表を務める政党支部 「民主党京都府参議院選挙区第2総支部」 に労務無償提供分として、3ヶ月分の対価に見合う金額92万486円の記載があった。

 一方、福山氏は昨年1月、財団法人 「資格標準化機構」 の設立をめぐり、浩容疑者と渡海紀三朗文科相( 当時 )の面談にも同席団体や自治体などが実施する検定試験が急増している現状を踏まえ、 「各種検定の資質を上げ、評価する仕組みが必要だ」 などと財団設立を後押しするような意見を述べた という

 同財団はその後、漢検協会が運営資金として2億円を拠出し、昨年12月に設立。 大久保昇容疑者が代表理事に就いたが、関係者によると、財団設立は検定業界の主導権を握る狙いもあったという。

 福山氏は産経新聞の取材に対し、 「( 浩容疑者とは )11年前に知人の紹介で知り合った。社員のスキルアップのため私の事務所で研修させたいと彼から頼まれたが、当時は協会の運営をめぐる問題が表面化していなかった」 と説明。 既に返還の意向を示している約670万円の献金については 「政治資金規正法にのっとり、適切に処理した」 としている。

 日本統計事務センター側は 「担当者がいないのでコメントできない」 としている。

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漢検協会:
前副理事長は23億円浪費
 …父と共に追起訴
( 2009.06.29 )
 財団法人 「日本漢字能力検定協会」 ( 京都市 )の前理事長親子による背任事件で、京都地検は29日、関連会社 「文章工学研究所」 ( 文研 )に実体のない業務を発注し協会に2700万円の損害を与えたとして、前理事長の大久保昇( 73 )と前副理事長で長男の浩( 45 )両容疑者を背任罪で追起訴した。地検によると、昇被告は取引で得た収益を不動産投資による借金6億円の返済に充当、浩被告は高級自動車やクルーザーなどに23億円を浪費していたという。

 地検は協会の資金を独断で引き出した横領などの容疑でも捜査を進めていたが、返却していることなどから立件を見送り、一連の捜査を終えた。既に起訴された分を含め、背任罪の立件総額は計約2億8700万円。

 起訴状によると、文研は昇被告が代表を務める調査会社。親子は04~08年、 「調査支援業務」 を行う人件費の名目で、協会に9回計2700万円を同社に架空発注させ、協会に同額の損害を与えた、としている。

 地検によると、2人とも起訴状の内容を認めているという。

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漢検協会:
前理事長父子らを提訴へ
 …賠償額27億円
( 2009.08.18 )
 財団法人 「日本漢字能力検定協会」 ( 京都市下京区 )は、前理事長の大久保昇被告( 73 )と、長男で前副理事長の浩被告( 45 )( ともに背任罪で起訴 )が、親族企業4社との架空委託などで協会に損害を与えたとして、月内にも両被告と4社を相手取り、計約27億円の損害賠償を求めて京都地裁に提訴する方針を固めた。

 協会は、法律上の時効にかからない範囲として、今年3月から10年さかのぼって契約内容を見直し、親族企業との不適切な委託などで生じた損害額を算出した。

 協会は7月中旬から両被告側と賠償交渉を進めていたが、両被告側が 「司法の場で交渉を進めたい」 との意向を示したため、提訴に踏み切ることにしたという。

 請求額の内訳は、背任事件の舞台となった広告会社 「メディアボックス」 との取引で約3億9000万円、調査研究会社 「文章工学研究所」 で約2700万円。また、出版会社 「オーク」 で約18億2000万円、情報処理会社 「日本統計事務センター」 で約4億6000万円。

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親族企業3億円所得隠し
 漢検元理事長も1億円
( 2010.07.30 )
 財団法人・日本漢字能力検定協会( 京都市 )をめぐる不正取引事件に絡み、背任罪で公判中の元理事長、大久保昇被告( 74 )と長男で元副理事長、浩被告( 46 )の親族企業4社が大阪国税局の税務調査を受け、平成21年9月期までの約7年間で、総額約3億円の申告漏れを指摘されていたことが29日、分かった。 申告漏れの大半は所得隠しと認定された。 追徴税額は重加算税を含め約1億1千万円とみられ、4社は修正申告したという。

 親族企業4社はいずれも京都市内にあり、昇被告が代表取締役を務める出版会社 「オーク」 と広告会社 「メディアボックス」 、浩被告が代表取締役を務めるいずれも情報処理会社の 「日本統計事務センター」 と 「チャレンジ・ネット」。

 また、親族企業4社が親子の私用目的で支出した総額約2億5千万円が、実質的な役員報酬に当たるとして、源泉所得税の課税漏れを指摘、不納付加算税を含め約1億円を追徴課税された。 浩被告個人も、投資の配当で得た所得の一部約1億円が所得隠しと指摘され、重加算税を含め約5千万円を追徴課税されたもようだ。

 さらに、検定協会自体も21年4月までの約5年間で、昇被告の海外旅行代など私的な支出約790万円が、源泉所得税の課税漏れと指摘された。 追徴税額は不納付加算税などを含め約260万円とみられる。 協会はすでに修正申告し、納税も済ませたという。

 昇被告は産経新聞の取材に応じず、浩被告は 「( 税務調査について )何も話すことはない」 と答えた。

 一方、協会の広報担当者は 「国税局の指摘で納税した分については昇被告に返還請求をする予定。 今後は検定事業に携わる者として公平・公正な経理を進めていきたい」 と話した。





( 2014.09.01 )

     



「訃報」を読み間違えた内田嶺衣奈アナ
 フジテレビの内田嶺衣奈アナウンサーが1日、同局の看板ニュース番組 「FNNニュース」 で 訃報ふほう『 けいほう 』 と読み間違えるハプニングがあった。 内田アナは上智大仏文科卒で、元アイドルという異色の経歴の持ち主。

 内田アナはこの日の番組で、大相撲元小結でタレントの龍虎さんが29日に亡くなったニュースを伝えた。 そのニュースの冒頭、神妙な顔つきで 「続いては 『けいほう』 です」 と述べた。

 間違いに気づかず、そのまま 「大相撲 …」 とニュースを読み進めていたが、スタジオ内から 「ふほう」 と間違いを指摘する声があがり、内田アナは、驚いて声のあがった後方を振り返ると、笑顔を浮かべ、 「失礼いたしました」 と照れ笑い。

 再び神妙な顔つきに戻り、 「『 ふほう』 です」 と言い直し、訃報を伝えた。

  上智大のミスコン 「ミスソフィア」 に選ばれた才女でもある。 学生時代は大手芸能事務所に所属し、 「原嶺衣奈」 の芸名でアイドルとして活動していた異色の経歴の持ち主だ。

 現在は 「すぽると」 ( 月、火曜 )なども担当している。 なお、同局の公式サイトでは、特技・資格の欄に 「漢字検定2級、日本語検定3級」 と書かれている。