増えた保健室登校




 登校はするが教室には行かない 「 保健室登校 」 の児童、生徒が推定1万人を超えた。 とくに中学 生に増えている。 夏休みに頻発したウサギ殺し事件の一部も中学生の犯行だった。 中学校の問題 について、抜本的に対応する必要がある。

教室には行かない 「登校」

 学校には行くのだが教室には入らず、保健室で過ごすというのが 「 保健室登校 」 である。 不登校 よりマシといえるのか、それよりももっとひどいというべきか。 不登校の生徒はたいがい母親も嫌い だから、保健室が唯一の 「 避難所 」 「 安住の場 」 となる心理は理解できなくもない。
 調査は、文部省が日本学校保健会に委託し、全国の小・中・高それぞれ124校ずつを対象に、 昨年10月上旬の6日間を調査期間として実施した。 回答校の在籍児童生徒数は約23万 人。 90年に実施して以来2回目の調査だ。

中学校で急増

 調査時点で保健室登校の児童・生徒がいた学校の割合は、小学校12.1%( 前回比5ポイント 増 )、中学校37.1%( 同13.九ポイント増 )、高校19.4%( 同11.3ポイント増 )。 とくに、いじ めや不登校( 登校拒否 )などの問題が集中して起きている中学校での急増ぶりが目立つ。
 調査期間中の保健室利用の延べ人数は約8万1,000人。 1校1日当たりの平均は小・中・高と も前回調査に比べて5、6人増えた。 学年が進むにつれて増え、男子より女子の利用が多かった。

心の問題増える中高生

 児童・生徒自身が選んだ来室理由は、小学校が 「 けがや鼻血の手当て 」 が最も多かった。 中学、 高校は 「 体調が悪い、痛む、苦しい 」 がトップで、年齢が進むにつれて、内科関連の理由が多くなっ ていた。 「 なんとなく 」 「 仲間や先生とのおしゃべり 」 は中学、高校で4―7%を占めた。
 来室理由の背景として、養護教諭が判断した内容では、 「 体の問題や体の悩み 」 が全体で5割を 超え、 「 心の問題や心の悩み 」 は13.4%だった。 具体的な項目では、情緒不安定、家庭環境、心 身症、いじめの順に多かった。

1万人超えると推計

 調査時点での全国の保健室登校の児童・生徒数を推計すると、小学校約2,800人( 前回1, 600人 )、中学校約5,700人( 同3,100人 )、高校約1,600人( 同550人 )で計約1万 100人となる。
 保健室登校の生徒数でも、中学校が全体の過半数を占める。

内申書廃止の必要

 高校入学者選抜に内申書が導入されたことによって、教育の場ではなく、選別の場 となってしまったのが中学校である。 不登校、いじめ等、学校のあらゆる問題がもっとも激しくなっているのが中学校である。
 もはや文部省は、対症療法でしのぐのではなく、抜本的な対応を打ち出すべきである。 それはず ばり言って、まず内申書の廃止ではなかろうか ……。