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(1)Fランク大学の学力・知力が低過ぎる!
(2)百分率や小数が分からない大学生?
(3)大学で四捨五入! … 「Fラン大学」が映し出す日本の未来
(4)自分が入った大学の名前を漢字で書けないバカ学生たち
(5)「Fランク大学」の存在意義はどこにあるのか
「社会の物差しからの自由は、日本の希望だ」
(6)文部科学省に「○鹿」と名指しされた、Fランク大学
(7)大学偏差値ランク( 一覧 )
(8)AO入試について
(9)「アルファベットの読み方」学ぶ日本橋学館大学 その意図を説明
(10)多額ローン、就職先はブラック…Fランク大学卒業生の厳しい現実
~なぜ入学者減らない?
(11)国民の財産を食い潰すFランク大学を全廃しよう
(12)Fラン女子大生の呆れた授業態度
講義中に自撮り、お菓子パーティも
(13)Fラン大学に入った優秀な学生 「結果的に良いこと尽くめだった」
(14)Fラン大学の学生、就活の敵は「学歴フィルター」だけではない
(15)Fラン大学卒から年収2000万円超へ 大逆転人生のカギは?





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 近年、大学教育現場では小中学校レベルの勉強内容の復習が平然と行われているということが問題視されている。

 たとえば昨年2月、関東にある大学に対し、文部科学省が 「be動詞は大学水準とはいえない」 と教育内容に関して指摘したことが話題になった。 また、関西の大学でも、 1年生向け授業で 「動物園」 の読み仮名に 「flower」 の日本語訳、456センチを10等分した値などが出題されるというのだ。 あまつさえこの大学の使用する教科書には、 「友達の名前を覚えましょう」 「教科書を音読しましょう」 といった小学校低学年向けの指導のような内容まで記されているという。

 こうした基礎学力の補習は 「リメディアル( =やり直し )教育」 と呼ばれている。 もはや大学に対し、最高学府としての権威を疑う声も出てきそうだが、リメディアル教育の浸透にはどのような背景があるのだろうか。 『名ばかり大学生 日本型教育制度の終焉』 ( 光文社刊 )などの著作を持ち、予備校を主宰するなど活躍する河本敏浩氏に話を聞いた。




「今の大学 1年生からは 『脱ゆとりプログラム』 の世代で、ゆとり教育を受けていたのは今の大学2年生までです。 カリキュラムが変更され、中学も高校も、勉強は以前より大変になっています。
 ただ、定員割れの私立大学が全国で約4~5割あるといわれていますので、高校時代にまったく勉強せずとも大学に入れたような学生は、いまだに多数存在しています。 国の政策が変わっても、いわゆる “座学” ができない大学生は相変わらず残っているというのが現状です」 ( 河本氏 )
 リメディアル教育の需要があるのも納得である。 これは一体いつ頃から本格化し、大学教育にどこまで密接に関わっているのか。
「過去の勉強内容の学び直しというのは、大学の定員充足率が下がってくるにしたがって盛んになり、大学教員の研究対象となってきました。 21世紀初頭頃から問題化され、リメディアル教育という言葉は2005年にはもう私たちの世界で定着していました。 実際、同年に 『日本リメディアル教育学会』 が設立されています。
 リメディアル教育は、その学部にどうしても必要な勉強内容については必修化されているケースが目立ちます。 たとえば工学部は、数学Ⅲの微分・積分ができないとどうしようもありません。 推薦で合格するなど一般入試を経由していない学生が増えているため、きちんと受験での選抜が機能している偏差値50~60の大学でも同じことがいえます。
 一方、とにかく定員を充足させるために “来る者は拒まず” という大学は、小中学校で習う漢字の書き取りをさせたり、100マス計算をやらせたりといったレベルから実施しています。 こういった大学では、建前上はリメディアル教育を任意としているケースが多いですが、実態はほぼ全員が受講している状態です」 ( 同 )



 そうした状況のなかで、大学教員から 「なぜ低レベルな授業のために自分が教壇に立たなければならないのか」 という不満の声や嘆き節は聞かれないのだろうか。
「確かにリメディアル教育が始まったばかりの頃は、そういった声は多かったと思います。ただ、現在はそういった不満の声も一段落し、運命を受け入れているという印象です。生徒の授業料が自身の給料につながるわけですから、顧客対応をしているという認識なのではないでしょうか。もしそれが嫌ならば、教員本人が質の高い論文を一生懸命書き、グレードの高い大学に招いてもらえるようになればいいという話でもありますからね」(同)
 もっとも、大学がこのような低レベルな内容の教育を強いられる原因は、中学や高校にあるともいえる。
「中学も高校も、生徒が授業で教えた内容を身につけていないにもかかわらず進級させてしまうため、大学の教員からすれば『今まで何をやってきたのか』という話になります。けれど、そんなレベルの低い学生でも入学させないと大学が潰れてしまうので文句は言えません。状況に適応しようと大学教員は必死なのです」(同)
 とはいえ、適応へ向けた彼らの努力は少しずつ実を結んでいるのだという。 大学側は単なる責任転嫁に終始することも、状況を見過ごすこともなかったようだ。
「大学では“勉強をしない学生”を迎え入れるうえで、“アクティブ・ラーニング”という方法が有効であるという認識がこの4~5年で広がってきています。アクティブ・ラーニングとは、たとえば英語ならただ教科書を読むだけではなく会話をしっかり練習する。また、教員ひとりの話を数十人の学生が聞くという形式ではなく、『みんなで商店街の活性化プロジェクトを考えて発表しよう』といった授業を実施するわけです。
 学生を座学から解放し、体験型の授業に参加させるという方法であり、座学しか経験してこなかった学生にとっては新鮮。『大学に来たい』『授業を受けたい』といった気持ちにさせる工夫がなされているんです。
 リメディアル教育は、けっきょく学生を授業に出席させてテストを受けさせて、という座学なので、高校までと同じことを繰り返しているにすぎず、学力向上の効果は出にくい。それに気づいた大学が増えてきているのでしょう。そこで、リメディアル教育と並行してアクティブ・ラーニングを導入するという流れが大きくなっているのです」(同)



 偏差値50を大幅に下回るようなランクでも学生の集まりがよい大学というのは、オープンキャンパスや説明会にてアクティブ・ラーニングを推しているという。 では、これらの教育によって低学力な学生の将来に光明は見えているのか。
「文系の学生が就職で不利になるのは広く知られていることですが、いわゆるFランク大学の文系学生は特に深刻。そして、仮にリメディアル教育で漢字の書き取りや100マス計算を学んだとしても、それが就職活動や就職後のスキルとして役立つかは正直疑問です。ですがアクティブ・ラーニングに取り組ませることで、Fランク大学の文系学生たちにも、能動的に新聞や本を読む習慣をつけさせるなど、就職に役立つスキルを身につけさせることもできるのです」(同)
 勉強に馴染みのないまま入学してしまった学生にとって、再スタートを切る一助になるのかもしれない。 大学教育は年々、学生の目線で発展を模索しているようだ。




 文科省は2015年2月19日、講義内容や運営方法などに不備があるとして、改善を求める大学253校を公表しました。 新設された大学や学部を昨年度から調べており、対象となった502校の約半数に問題が。 多くは学生の定員割れや、教職員の高齢化などでしたが、大学としての “適格性” が問われそうなものも少なくありませんでした。

 

 ざっくりと言うと
「AO入試」 で合格した生徒の学力について解説している
早慶レベルの文系学生でも、5人に 1人は分数の計算ができなかったという
英語の能力も低くローマ字読みしかできない生徒がいるとも



 “受験戦争” という言葉は過去のもの。 高校生の学力低下が問題になり、さらに少子化で各大学が学生の確保に躍起になっている。 そんななかで、新たな受験方法である 「AO入試」 の増加で大学の入試事情は大混乱しているようだ。

 AO入試では、変わり種から低学力者まで、いろいろな生徒が入学している。

 慶應大学にAO合格した男子学生は、 「お笑いの高校生大会予選で17連敗。 恥ずかしくて最初は誰にも言えませんでしたが、17回トライした執念はアピールできるのかな」 と語って見事合格したという。

 根性系といえばこちらもすごい。
 「アイドルの追っかけで寝袋に泊まりながら日本を縦断、その根性をアピールして合格」 ( 中堅私大 )

 AOでは高校時代の活動が評価されるため、親や塾の先生に協力してもらって起業したなどという女子生徒も難関私大に合格。 彼女の高校時代の友人はこう語る。

 「実際は大人たちが全部やってくれた。 彼女は高校生起業家として表に立ってはいるものの、用意された言葉で演じたたけ」。

 なかには、ボランティア団体を設立したが 「( 実際は何もしていないので )ブログやツイッターで書くことがなくて、街角清掃に紛れて記念写真を撮ったり、親の知り合いの介護施設に見学に行ってお年寄りとの写真を撮りまくったりして、活動を盛りに盛った」 ( 中堅私大 )という生徒も。

 さて、問題は入学してからのこと。 早稲田・慶應レベルの文系学生でも、 「受験時に数学を選択しなかった学生の5人に 1人は分数の計算ができなかった」 というデータがある。 理系AOでは 「数学の能力が低くて授業についていけないのはザラ」 というありさまだ。

 一般的にAO入学組は英語の能力も低く、ローマ字読みしかできない生徒も。 それどころか日本語能力も怪しく、 「ツイッターなどの短文は読めるがブログの長文記事だと要点をつかめない」 ( 難関私大 )。

 「それでも、AO入学者は総じてコミュニケーション能力、ハッタリ力だけは高い。 学力が低くても世の中をしっかり渡っていくツワモノも多いですから、まあたくましいと言えばそう言えるのかもしれません」 ( 大手予備校講師 )


( 2019.04.25 )


 いま、 「比と割合の問題」 を間違える大学生が目に見えて増えている。
 税込の代金が定価の1.08倍(消費税分)になることが説明できない、 「2億円は50億円の何%か」 が答えられない …… などなど。
 この問題の本質はどこにあるのか。 これからの 「学び」 のあり方を問い直す。

 20世紀から21世紀になって、各種経済データの見方で大きな変化があった。 例えば、1万人の社員で1000億円の利益を上げる企業と、100人で100億円の利益を上げる企業を比べるようなとき、20世紀までの 「足し算」 から21世紀は 「割り算」 による 「1単位当たり」 の視点で考える時代になった。 そこで現在においては、 「%」 の発想が基本になる。


「%」 が理解できない大学生たち

 ところが、この 「%」 に関して現在、大学生の理解で異変が起きている。 「2億円は50億円の何%か」 という質問に対して、2を50で割って正解の4%が導けない学生や、消費税込みの代金は定価の1.08倍になることの説明ができない学生が多くいる。 毎年行われている全国学力テストで、それらを裏付けるものも報告されている。

 たとえば2012年度の全国学力テストから加わった理科の中学分野(中学3年)で、10%の食塩水を1000グラム作るのに必要な食塩と水の質量をそれぞれ求めさせる問題が出題されたが、 「食塩100グラム」 「水900グラム」 と正しく答えられたのは52%にすぎなかった。 1983(昭和58)年に、同じ中学3年を対象にした全国規模の学力テストで、食塩水を1000グラムではなく100グラムにしたほぼ同一の問題が出題されたが、このときの正解率は70%だったのである。

 ここ数年、他大学のさまざまな分野の教員から、 「%」 を理解していない大学生の情報が寄せられるようになった。 さらに、本年2月下旬に発行された雑誌『数学文化』第31号でも思わぬ記事を見た。

 小学校の元先生は、2015年度の全国学力テストの算数B(小学6年)で、正答率13%という極端に出来の悪い 「%」 の問題があることを指摘され、以下のことを述べられている。
「この数値は本当に大変な数値で、マスコミが取り上げないといけないと思うのですが、この数値が話題になることはついにありませんでした。 もっと驚くのは教育学者や数学の専門家が何も言わなかったことです」
 さらに、その先生は 「中学生になって割合の学力が回復する子はそんなに多くないように思われます」 と結ばれている。 それに付け加えるならば、大学生になっても変わらないと述べたい。

 これまで専任と非常勤を含めて10の大学で文系・理系合わせて約1万5000人の大学生を指導し、また小・中・高の約200校で出前授業を行い、さらに、大学での就職委員長を務めていたとき、夜間に 「就活の算数」 ボランティア授業も行っていた。 そのような事情もあって、最近の 「%」 の問題は肌で感じていた。

 そして、 「数学が苦手な生徒は、答を当てるマークシート式問題だけ解ければよい」 という困った指導が広く行われていることに対し、ある学生が 「数学を苦手としている者でも、本心は時間をかけてでも内容をよく理解したいと思っているのです」 と熱く語ったことが忘れられなかった。

 そこで今年4月に、 『 「%」 が分からない大学生 日本の数学教育の致命的欠陥』 (光文社新書)を出版した次第である。

 「%」 の問題をさまざまな角度から検討した結果、大きく分けると2つの原因にたどり着く。
まず1つめ、次の4通りの表現は同じ意味である。
① ~の…に対する割合は○%
② …に対する~の割合は○%
③ …の○%は~
④ ~は…の○%
 したがって、 「元にする量」 と 「比べられる量」 を国語的にしっかり理解する必要がある。 にもかかわらず、それを理解できていない大学生が増えているのだ。

 もう1つは、教える側が主に理解の遅い子どもたちに対して、理解を無視して 「やり方」 の暗記で済ませてしまう指導をしていることだ。

 「速さ・時間・距離」 の問題を、丸の中に 「は・じ・き」 なるものを書いて 「やり方」 の暗記だけで解く方法があり、それに類似した 「く・も・わ」 (比べられる量・元にする量・割合) なるものまである。 奇妙な誤解答を書く学生に限って、答案の隅に 「は・じ・き」 や 「く・も・わ」 の図を書いている場合が目立つ。


理解を無視して答を当てる解法は正しいのか

 そればかりでなく学校教育で習うさまざまな内容に関しても、理解を無視して答だけ当てる安易な解法が蔓延している。 一例を挙げると、高校数学の積分に関する問題で、放物線と直線で囲まれた図形の面積は交点のx座標さえ求めれば、積分を一切使わずに答を出せる 「1/6公式」 という(奇妙奇天烈な名の)公式まである。

 このような理解を無視して暗記に頼る学びは、途中のプロセスはいい加減でも答だけ機械で採点するマークシート式問題ならば、 「結果オーライ」 である。 しかし、来るAI(人工知能)時代にはマッチしていない。

 計算機は、記憶や計算スピードの点では人間よりはるかに優れている一方で、相手の表情から相手の心をつかんで話したり、いろいろ試行錯誤して斬新なアイデアを創造したりすることは苦手である。 AI時代には、人間と計算機が互いによきパートナーとして協力する関係を築くことが大切なのだ。

 およそ新しいものを創造するためには、いろいろな試行錯誤を粘り強く行う必要がある。 この試行錯誤という点で、長い大学教員の経験から昔と今の学生で大きく違う点を感じる。 それは、誰でも試行錯誤して楽しめる問題に対して、考えているときの態度に現れる。

 昔の学生は全員がチャレンジし続けて、時間が30分近くなって答を言おうとすると、 「先生、いま考えているから、絶対に答は言わないでください」 と言う者が何人もいた。 今は、そのように言う者はほとんどいないばかりか、問題を見た途端に 「先生、この問題の解き方はどうすればよいか、教えてください」 と言う学生が多くいる。

 実は、この残念な傾向にマッチするような教育や参考書が氾濫しているが、そのような教育に対する反省があるからこそ、2020年度から始まる大学入学共通テストの国語と数学では、一部に記述試験が導入されることになった。

 その試行調査(プレテスト)が何回か行われ、その度に 「数学の記述試験の成績がそうとう悪い」 という報告がある。

 マークシート式の試験対策しか行っていない生徒がいきなり記述式の試験を受けても成績が悪いのは当然であり、難易度をもっと下げてほしかった。

 さて、TIMSS(国際数学・理科教育動向調査)などでも、日本の子どもたちの 「数学嫌い」 は際立って多い。 なぜ、この問題にもっと真剣に目を向けなかったのだろうか。 理系に進学する女子を対象とするセミナーはあちこちで開催されるようになったが、大多数の生徒が数学を嫌いだと思う意識を改善しない限り、いくら 「AI時代には数学が大切」 と騒いだところで根本的な改革は進まないだろう。

 数学を真に 「面白い」 と思うのは、素早く答を当てたときではなく、答や面白い性質を導くプロセスがよく理解できたときである。


日本の数学教育には抜本的な改革が必要だ

 最後に重要と考える2点を提言したい。

 1つは数学が苦手な生徒は、わからないところがわからないということだ。 そのような生徒に向かって、 「わからないところがあったら質問しに来なさい」 と言うことは、 「質問に来るな」 と受け止められることに留意すべきだ。 数学を教える側は、生徒がつまずいている箇所を、生徒の心に飛び込んで見抜く努力をしたいのである。

 もう1つは、理解の遅いことは悪いことではないということだ。 理解の遅い子どもたちにはそれぞれにマッチした教育をしてあげればよい。 尊敬する数学者ガウスは、すでに3歳のとき石屋を経営する父親の計算を横からチェックしていた。

 ガウスのような生徒も、理解の遅い生徒も、それぞれに見合った画一的でない数学の教育を受けられるように、抜本的な改革をしてもらいたい。 それが技術立国日本の再建につながると信じている。



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 文部科学省は、新設大学や新たに学部を設けた大学など502校を対象とした調査の結果、改善や早急な是正を求めた253校を公表した。 なかには 「大学教育水準とは見受けられない授業科目がある」 と指摘されている大学もある。



 このなかで、特に世間の注目を浴びたのは千葉科学大学( 千葉県銚子市 )である。 「講義内容が “be動詞” や “四捨五入” の仰天大学」 としてネット上でも大いに話題を集めた。

 同大学は、日本初の危機管理学部を設置した大学として2004年4月に開学し、現在は薬学部と看護学部を加えた3学部がある。 文科省より 「大学教育水準とは見受けられない授業科目があることから、適切な内容に修正するか、または正規授業外でのリメディアル教育で補完すること」 と早急な是正を求められたのは危機管理学部環境危機管理学科だ。

 同科のシラバス( 学習計画の概要 )を見ると確かに、 『英語Ⅰ』 では 「be動詞」 「三単現のs」 といった中学校で学ぶべき内容の授業がある。 『基礎数学』 はさらにレベルが低い。 「百分率」 や 「四捨五入」 などの単語に目を疑ってしまう。 ちなみに百分率は小学校5年、四捨五入にいたっては小学校4年の単元だ。 “数学” ではなく “算数” なのである。

 このことについて、 「三単現や四捨五入を理解しないままの学生を卒業させるよりも、授業で教えたほうが世の中のためのではないか」 という意見もある。 たしかに、そうすることによって学生個人の能力はいくらかでも向上するだろう。 しかし、国公立、私立にかかわらず、大学は、正規の授業では国が求める一定のレベルを保たなければならない。

 私立大学は国から 「私立大学等経常費補助金」 を交付されている。 千葉科学大も例外ではなく、平成25年度に受け取ったのは約3億1600万円だ。 国庫から税金が投入されている以上、基準に達していない授業は文科省が看過できなくて当然である。




 一方で想像できるのは、学生のレベルに合わせたシラバスをつくらざるを得なかった大学側の事情である。

 同大における入学試験の過去問を調べてみたところ、シラバスと関連するような記述があった。 2013年の数学で、金利を求める問題なのだが、但し書きとして 「百分率は□.□□%の形式で答えなさい。 ただし、割り切れない時は四捨五入をし、空白にせずに必要に応じて0を追加すること」 と添えられている。 百分率や四捨五入が理解できなければ正解できない問題なのはいうまでもない。 これは一例だが、この類の入学試験を通して、学生にはごく初歩からの授業が必要との結論に達したことと思われる。

 大学のレベルにない授業を大学が行い、大学生のレベルにない学力の学生が通う。 このおかしな状況をつくりだしているのは需要と供給の関係だ。 大学進学率はピークである2010年の52.2%から下落傾向にあるものの、2013年も50.8%と過半数を超える。

 「質は問わずにとにかく大学へ」 というニーズは大きい。 その受け皿となっているのは、少子化で学生の確保が困難になっている一部の大学である。 少子化や格差社会の本格化によって大学生の絶対数が減ると思われる今後、一部の大学のレベルの低下は止まらないだろう。

 前記したように、文科省が是正などを求めた大学は253校にのぼる。 文科省のホームページで公開されている 「設置計画履行状況等調査の結果等について( 平成26年度 )」 には、教育現場の混乱や荒廃を伝える事例も散見される。

★設置計画履行状況等調査の結果等について( 平成26年度 )|文部科学省
 ・「授業科目 『物理』 『化学』 『生物』 について、大学教育水準とは見受けられない内容である」 ( つくば国際大学 )
 ・「調査時の質疑応答において、回答が二転三転し、事実と異なる回答がなされた」 ( 太成学院大学 )
 ・「教学面の健全な運営がなされているとは言い難い」 ( 宝塚大学 )
 ・「留年生が多数生じており、また、在籍学生の学年ごとの評定平均が下の学年ほど低くなっている」 ( 宝塚医療大学 )

 文科省に “問題視” された各校で発生している問題は、どれも日本社会を映していると言えるかもしれない。




  


 入試シーズンも佳境を迎え、大量の新大学生たちが生まれる季節となった。
 本来は 「最高学府」 と呼ばれる大学だが、昨今は大学とは名ばかりの 「Fラン大学」 が社会問題化。 こうした大学の荒廃ぶりは再三紹介してきたが、実はその惨状は刻一刻と悪化しているという。

 人生の節目となる大学の入学式。 だが、残念ながら最高学府の学生たる自覚を持つ者は少ない。
「昨年の 1年男子のヒゲ率は約3割。 鈴木雅之ばりのヒゲ&グラサン姿、EXILEにいそうなコワモテの学生がチラホラ。 あとは男装した女子学生や逆に女装した生徒も。 入学式は仮装パーティの場じゃないのに ……」
 そう嘆くのは、首都圏にある “Fラン” H大職員のYさん。
 しかも、乱れているのは外見だけでなくモラルも著しく欠けている。
「昨年は入学早々に裏門付近に路駐&無免許で捕まった学生、大学生協で万引きした学生もいました。 ウチの学生は地元から評判が良くないので、いつ大きな問題を起こさないかと心配でなりません」
 ただし、百歩譲って大学生に相応しい学力があればよいのだが、そこは誰でも入れる “Fラン”。 もちろん望むことなどできない。
「昨年の入学式の際、新入生のグループが 『ウチの大学、どういう字だっけ?』 と漢字で書けないことを楽しげに話していたんです。 全部常用漢字なのにそれをわからないというのはあまりに情けなすぎる」 ( “Fラン” K大教授 )
 門出となる入学式からこのありさまでは、いったい何のために入学したか …… 問い詰める気も起きない事態である。




 


 社会に出る前の学生に、多額の借金を負わせる日本の奨学金制度は、それ自体に対する批判も多い。 しかし、学生に貸与された奨学金を学費として受け取るのは、教育機関である大学である。 日本学生支援機構の遠藤勝裕理事長は、 「奨学金制度のステークホルダーは、学生以上に大学だ」 と指摘し、奨学金の貸与にふさわしい教育サービスを提供しているかを、今後は機構としてもチェックする必要があると話す( 奨学金 「貧困問題」、最大の責任者は誰なのか )。 まずは今年夏頃に、奨学金延滞者の割合を、学校別に公表するという。

 実社会で求められることと、大学が教える内容がマッチしていないという声は以前から根強い。 また、偏差値が低い大学に対しては、 「本当に必要なのか」 という風当たりが、特に強いようだ。 このような状況の中、現場に身を置く大学教員は、どのようなことを感じ、世間の批判にどのように答えるのか。 奨学金が支える 「Fランク大学」 の葛藤と不安でも取材に協力してもらった、聖学院大学( 埼玉県上尾市 )の柴田武男教授に話を聞いた。




―― 奨学金問題の反応を見ても、大学に対する目が厳しさを増している印象があります。

 現状では、大学の教育が社会の期待に応えられていないと言われても、直ちに否定することはできない。 奨学金の問題など、学生の教育のことについて熱心に考えているのは、自分の周りでも片手で数えられるくらいかな、と思いますし。
 日本学生支援機構の遠藤理事長が言う、 「奨学金の貸与にふさわしい教育サービスを提供すること」 の必要性をもっとも実感しているのが、われわれFランクの大学です。 「少人数で、面倒見がいい」 ことを大学としても掲げているけど、こんなことは経営の大前提なんですよね。
 僕たちの世代は、3分の 1しか大学に行かなかったんですよ。 ある程度頭がよくて、勉強が好きで、という人だけが、勝手に勉強して大学にいっていた。 でも今はそうじゃない。 手取り足取り、どうして、今、これを勉強しなくちゃいけないのか。 それをしっかり教えられる大学じゃないと生き残れない。 そういう頭の切り替えが大切です。

―― 学生に対して、具体的にどのような教育が重要と考えている?

 若者は、学ぶ意義に気づくと、伸びます。 それを引き出すために、どのようにして刺激を与えるかが重要。 ただ、それぞれの学生のスイッチが、どこにあるのかを見極めることは難しい。 どこを突っつくべきなのかは一見して分からないから、とにかく突っつくシステムを、我々は用意したい。

―― 職業に直結するというわけではなく、方法として少し抽象的な印象を受けますが。

 文科省からも全く同じことを言われていますよ。 教育プロジェクトに予算つけて欲しいなら、数字で可視化できる形にしてくれと。 つまり、効果を計れる物差しをきちんと用意してから、提案して欲しいということですね。 税金を投入する側からすれば、カネを出す価値を説明してみろって、大学に言いたくなる気持ちも、十分理解できる。 ただ、教育に対して目に見える効果と言われても、なかなか難しい。




―― 教育が職業に直結していないというのは、どこの大学も似たような状況でしょうか。

 いや、その点については、開き直っている大学もありますよ。 「大学には就職のために来てるんだ」 と、完全に割り切っていて、それが学生に対するアピールになっている。 例えば、千葉商科大学とかそうですよね。 正直言って、これは説得力あるんですよ。 その証拠に、うちよりはるかに学生を集めている。 これも教育に対する1つの考え方だと思います。 でも、資格さえあれば、本当に世の中を渡っていけるかという疑問もありますけどね。

―― その疑問とは?

 企業の人事の方とよく話すので、会社が就職活動をする学生に対して何を求めているかを聞く機会があります。 それは何かというと、社会人基礎力。 つまりはコミュニケーション能力ですよ。 では、その具体的中身は何かというと、人の話を聞いて理解する力です。 これは当たり前のスキルのように思えて、結構ハードルが高い。 何を会社が要求していて、自分がどうしたらいいのか。 自発的に自分で何をしたらいいのかを考えて、率先して行動するということでしょう。 それを資格対策で教えられるんでしょうか。

―― 日本で仕事をすると、入社して配属が決まらないとどういう仕事をするかも分からないこともある。 まずは人間性が重視される傾向はありますね。

 そうです。 日本の雇用が特殊なのはご存知かもしれませんが、職務を限定することなく雇用契約を結びますから、配置転換と転勤が自由にできます。 日本の企業でうまくいく人材とは、会社の求めた様々な職種に、自由円滑に対応できる人ということになるでしょう。 これが日本の組織の中では、一番大切なわけですよ。

―― そのスキルを身につける方法は?

 専門的な勉強のツールを通して、社会の仕組みを考える力を養うことが重要だと思います。 対象は何でもいい。 政治経済でも、人間福祉でも、シェークスピアでも。僕だったら専門は金融市場論だけど、今だったら例えばマイナス金利の意味を考えてみるとか。 人の言ったことを聞いて理解するということが本質で、個別の学問はあくまで通り道に過ぎない。

―― 学問を通してコミュニケーション能力を高める、という方法は迂遠な印象もあります。 学生に効果は出ているのでしょうか?

 正直なところ、そう簡単ではないでしょうね ……。 私だって大学や学生の現状がどうなっているのかは、嫌というほど分かっている。 でも、理念は現実とずれているからこそ、理念なわけです。 本当は 「大学で学ぶことに価値がある、考えること自体に価値がある」 と言いたい。 でもそれが通じるかは現実としては厳しいかもしれません。 企業だって採用の時は大学の成績を見ているわけだし、 「しっかり大学で勉強をして、いい会社に正社員で入って、給料をきちんともらいなさい」 って ……。 どうしてもそういう言い方で、4年間の学業の意味づけって説明せざるを得ない。




―― そこでしか結びつかないとすると、やはり 「大学教育の貧困」 を批判されてしまいそうですが。

 それは否定できません。 ただ、教育はもちろん大切なのですが、学校教育がすべての問題を解決できる万能のツールではない、という面もあると思います。 お金は大切ですが、お金だけで人は幸せにならないのと同じ。 家庭も然り、友人も然り、いろいろとよってたかって人生ではないですか。 人生とは複雑でいい加減なものです。 そのいい加減さをどう認めるのか。 それが現代社会の課題だと思うんですよね。

―― そうした、社会の余白、膨らみが大切だと。

 そう。 教育、さらに学校制度は何のためにあるのかと問われれば、それは、急速に変化する世の中から切り離して、子ども達を立ち止まらせるためだと思います。 偏差値社会は、序列社会です。 人を押しのけて、這い上がろうという意識に満ちています。 それがいきすぎて、 「自分は本当に勝ち残れるのか」 という気持ちが蔓延する、不安社会となっている。
 色々と言われていることは分かっているけれど、私はBF( ボーダーフリー )の大学こそ、日本の希望だと思っているんですよ。 決して絶望して居直っているのではありません。 私たちだからこそ、教えられることがあると思うのです。 それは、 「人の物差しで生きるな」 ということ。 いわゆる高偏差値の大学の学生では、社会の物差しから自由になれないし、なろうともしません。 私たちは、Fランクですから、社会の尺度からは比較的自由。 それは、この生きにくい社会での優位性だと、我々は考えてます。
 人の尺度で生きるのはやめて、自分の価値観を信じる。 大学の教員として、それを支える側に立ちたい。 私たちの大学の学生は、のんびりしすぎて心配な面もありますが、優しさに満ちています。 その優しさこそ、今の日本社会にとって何よりも大切だと、私は信じているのです。




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設置計画履行状況等調査の結果等について( 平成26年度 )
出典:設置計画履行状況等調査の結果等について( 平成26年度 ):文部科学省

調査の目的
設置計画履行状況等調査は,文部科学省令及び告示に基づき,大学の設置認可時等における留意事項及び授業科目の開設状況,教員組織の整備状況,その他の設置計画の履行状況について,各大学からの報告を求め,書面,面接又は実地により調査を行い,各大学の教育水準の維持・向上及びその主体的な改善・充実に資することを目的として実施するものである。

調査結果( 一覧 ) PDF
[設置計画履行状況等調査の結果等について( 平成26年度 )
http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/ninka/1355057.htm
http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/ninka/__icsFiles/afieldfile/2015/03/06/1355057_01.pdf

「授業科目 『物理、化学、生物』 について、大学教育水準とは見受けられない内容である」 ( つくば国際大学 )
「調査時の質疑応答において、回答が二転三転し、事実と異なる回答がなされた」 ( 太成学院大学 )
「教学面の健全な運営がなされているとは言い難い」 ( 宝塚大学 )
「留年生が多数生じており、また、在籍学生の学年ごとの評定平均が下の学年ほど低くなっている」 ( 宝塚医療大学 )

 上記PDF[ 文部科学省HP ]にて挙げられた問題の多くは学生の定員割れや、教職員の高齢化などでした。
 しかし、下記のような例では、大学としての “適格性” が問われそうなものも少なくありませんでした。

千葉科学大( 千葉県銚子市 )
 一部の講義で “レベルの低さ” が問題視されました。 たとえば 「英語Ⅰ」 の講義。 同大のシラバス( 講義計画 )によると、冒頭から 「be動詞」 「過去形」 「進行形」 と、中学校レベルの内容が並びます。 「基礎数学」 の講義でも、割合( 百分率 )や小数、四捨五入とは何か、から教え始めます。

つくば国際大( 茨城県土浦市 )
 「化学」 の講義が元素や周期表の説明から始まったり、 「生物学」 では光合成やメンデルの遺伝法則を一から学ばせたり。

太成学院大( 大阪府堺市 )
 書類と面接で合否を決める 「アグリーメント入試」 を実施しており、選考基準について 「学生と大学が同意に達したら入学を許可する」 と説明してきました。
 文科省の調査は 「同意以外の判断基準が明示されておらず、どのように合否を決定しているか不明」 として、見直しを求めています。

北翔大( 北海道江別市 )
 大学院の募集要項に 「可能な限り受け入れる」 との表現があり、適切な選抜が行われていない印象を与えると指摘されました。

 ほかにも、 「併設校からの内部推薦など募集要項に記載されていない入試区分が存在」 ( 大阪府守口市の大阪国際大 )、「留年生が多数生じており、また、在籍学生の学年ごとの評定平均が下の学年ほど低くなっている」 ( 兵庫県宝塚市の宝塚医療大 )、「開設以来、学生が1人も入学していない」 ( 千葉県我孫子市の川村学園女子大・大学院人文科学研究科教育学専攻 )などの例が指摘されています。



大学 偏差値 ランク(一覧)


     関東地方私立大学偏差値ランキング
     ランクF私立大学偏差値ランキング

 いやぁ~、まぁ~偏差値や学歴ごときで、人間としての価値が決まる訳ではないが、中1、中2レベルの学力で、大学に進学してどうする.....
 進学する意志があるのであれば、先にすべき事があるだろう...と。



( 2014.07.09 )
AO入試について


AO入試、6人に1人が“退学”の実態

 AO入試で大学に入学した学生の6人に1人が退学しているという驚愕の実態が明らかとなりました。
AO入試 … アドミッション・オフィス入試。
 学力試験よりも本人の意欲や能力、スポーツや芸能などの特技、高校時代の通知表、面接、小論文などを重視した入学試験。
 大学側の学力に頼らない多彩で優秀な人材を取りたいという考えと期待から始まったものの、近年では一般入試組と比べて、学力が低い、入学後に勉強をしないなどの問題点も浮上しています。
 読売新聞による全国744の国公私立大学を対象とした 「大学の実力 教育力向上の取り組み」 調査( 回答率は89% )で判明したもの。
 退学率にすると15.5%で、一般入試で入学した学生が5.9%なのに対し、約3倍近い差があります。
 その背景には、AO入試は一般入試と比べて、合否が決まるのも早く、ありがたみが少なかったり、学力が比較的重視されていないため、元々学生の学習意欲が少ないことなどがあります。

 また株式会社ライセンスアカデミー進路情報研究センターによる全国752大学を対象とした 「AO入試・公募制推薦入試動向調査」 ( 回答率は52% )で、うち32%の大学が一般入試で入学した学生と比べて、学力が低いと回答しています。

 最近では就職面接でAO入試組か一般入試組かを区別しているところもあると聞きます。
 昔と比べると少子化と大学の易化が進み、全体的に学力が落ちているため、高校名までチェックするところもあるそうです。
 何だか窮屈な気もしますが、AO入試組はその性質上、要領はよく、面接官に対し、優等生を装って印象よく見せることもできますので、多少不器用だったり、口ベタなどでコミュニケーションが下手であっても、学生の内実が重要視されるようになってきたのは、ある意味自然な成り行きで歓迎すべきともいえます。



( 2011.10.12 )



 漫画の世界の話ではない。 「本物の “バカ田大学” が日本にあった」 ―― と話題になっている。 そんなありがたくない評価を受けているのが、創立11年目の私立大学・日本橋学館大学だ。 キャンパスがあるのは東京・日本橋 …… ではなく、千葉・柏市。 学生数は463人だ。

 有名になった発端は、同大がHPで公開するシラバス( 学習計画概要 )だった。 入学初年度の履修科目 「基礎力リテラシー」 には驚くべき内容が記されている。

 まずは英語。 〈英語を好きになる〉 と題した全15回( 前期 )の授業内容は、 「授業の進め方」 で始まり、第2回は 「アルファベットの書き方・読み方」、第3回が 「辞書の構成・辞書の使い方」 ……。 そして第10回目にようやく 「be動詞」 を学ぶことになる。 「中学生かよ!」 と思わずツッコミを入れたくなるが、まさにその通り。 使用する教材は中学 1~3年生の参考書である。



講座   講 義 内 容
第1回授業の進め方について
第2回アルファベットの書き方・アルファベットの書き方
第3回辞書の構成・辞書の使い方・小テスト
第4回英語の基礎知識
第5回5文型
第6回名詞・代名詞・小テスト
第7回一般動詞(現在形)
第8回一般動詞(否定文・疑問文)
第9回一般動詞(過去形)、過去分詞・小テスト
第10回be動詞(現在・過去)、There is 構文
第11回be動詞(否定文・疑問文)
第12回前置詞・小テスト
第13回助動詞
第14回助動詞の特殊用法
第15回命令、勧誘、依頼、付加疑問文・小テスト

 〈高校までの算数・数学をみなおし、数学的思考を身につける〉 とした数学では、 「小数の計算 分数の計算」、 「円の面積」 ……。

 そして日本語会話の講義は、第2回 「クラスで自己紹介する」 に続いて、第3回は 「目上の人を○○に誘う」。 となれば ……、第4回は 「目上の人の誘いを断る」。 さながらマナー教室のようである。

 シラバスだけではない。 同大HPによると、 〈初年次教育〉 の目指すものとして、授業の受け方、ノートの取り方、などとある。 まずは心構えということか。 全学科共通のゼミでは、 「親睦球技大会( 仲間と汗を流そう )」、 「学生生活マナー( 授業の受け方 )」 などと並んで、 「日本橋学館クイズ( 大学を知ろう )」 というものもある。 ゼミで学ぶ大学生にクイズが出題されてしまうのである。

 こうした教育内容が明らかになったために、大学教育に関するネット掲示板などでは、 「中学に入り直した方がいい」 「文科省は大学免許を取り消すべき」 などと批判の嵐。 大手予備校によれば同大の偏差値は40なのに、 「もはや測定不能」 とまでからかわれている。

 しかし、いまや2人に 1人が大卒という時代。 ひどいところは 「学級崩壊」 が発生し、学力低下どころか 「学ぶ意欲がない学生ばかり」 というのが現実だ。 学力も悲惨なもので、ある大学では 「九九の計算に全問正解したのが受講者の半数以下」 だったという。

 日本橋学館大学のカリキュラムは、そうした現実を正面から受け止めたものであるという。 同大学の教授で、講義内容を決定する教務委員会の委員長を務める塩澤寛樹氏が説明する。
「基礎力リテラシーは必修科目ではなく、入学後のテストで基礎学力に欠けると見なした学生を対象に履修させる補習的な科目で、約6割が受講します。 確かに入学生の中には、アルファベットを全部書けない学生もいる。
 英語が分からない以前に、嫌いだと拒絶する学生もいます。 そうした学生に大学レベルの英語を詰め込んでも意味がありません。 就職時期には少なくとも一般教養ある学生を育てたいとの思いから、シラバスを公開した。 これは本学の覚悟の現われです」



( 2013.12.12 )

 
  


 少子化が進む日本で、 「大学全入時代」 となって久しい。 いわゆる 「Fランク大学」 といわれる大学の中には定員割れのところも多いため、願書を書いて面接を受けるなど型通りの試験を受ければ、晴れて大学生だ。

 Fランク大学をめぐっては、 「工学部の授業で因数分解を教える」 「就職先がブラック企業だらけ」 などの “伝説” が多くの人に知られているが、それでもなぜ、高卒で就職するでもなく、専門学校で特定の技術を身につけるのでもなく、Fランク大学に進学する人が後を絶たないのか? そう訝がる声も多い。

 ところが、Fランク大学に入学する学生の多くが、大卒の学歴にこだわっているわけではなく、その背景には高校教師の怠慢があるという実態が、見えてきた。

 あるFランク高校生の親は、口々にこう言うのだ。
「先生は就職を勧めず、Fランク大学になら入れると言うんです」
 実は高卒の就職率は95.8%( 2013年春卒業者 )と、大卒の93.9%( 同 )より高い。 しかし、ブルーカラー系職種が多く、3年で半分が辞めるといわれるくらい離職率が高い。 これが 「七五三現象( 大卒7割、高卒5割、中卒3割が入社3年時点で会社に残る )」 といわれる所以である。

 高校教師からしてみれば、卒業生にすぐ会社を辞められれば、間を取り持った自分の面目は丸つぶれだし、高校の信用力も落ちる。 すると自分も上から責められるから大層困る。 すぐ辞めた OB、OG がちょくちょく相談に来るのも面倒だ。 さらに、あらためて就職先の候補を開拓するのもしんどい。




 そこで、Fランク高校の教師によく見受けられる行動が、 「Fランク大学への入学を勧めること」 だという。

 Fランク大学卒業生の母Aさん( 40代後半 )が語る。
「昔の先生は、必死で地元企業を回って生徒を売り込んでくれたものだけど、今の先生はそんな面倒臭いことはしない。 取りあえずFランク大学にぶち込んで、 “問題先送り” にしてしまう人ばかりなんです」
 Aさん家庭は、夫婦で工場に勤務しているが、あまり裕福とはいえない。 だから子どもを無理して大学に進学させるのを躊躇したそうだ。 Aさんの息子とて、進学希望だったワケではない。 地元の北関東の企業に就職し、親や親戚、仲間に囲まれた平穏な暮らしをするのが夢だった。
「ところが先生は、 『大丈夫、奨学金がありますから。 今の大学生は奨学金を受けるのが常識です』 の一点張り。 それで、つい息子を大学に入れちゃいました」 ( 同 )
 殺し文句は 「今の大学生の半数が奨学金ユーザー。 何も心配いらない」 だったという。

 確かに、私立大学新入生の家計負担調査によると、奨学金を希望する人は全体で66.2%に及ぶ。 Aさんも、昔の 「日本育英会」 のような学費補助があったり、返済に窮したら先延ばししてくれるような手厚い奨学金を、ついイメージしてしまったが、実際は大きく異なっていたという。
「実際は単なる 『学生ローン』。 金利は1.6%程度と並の住宅ローン以上で、少しでも返済が滞れば、奨学金機構がすぐに裁判所に支払督促の訴訟を起こすんです。 すぐさま一括返済せよって ……」( 同 )
 20代のみそらで数百万円の金を一括返済するのは難しく、裁判を起こされると大抵の場合は残元金に10%程度の延滞金を乗せることで決着するのだという。
「ほとんど街金です。 実際に奨学金を貸し出す機構は、取り立てのプロである債権回収会社と契約していて、返済が遅れようものなら債権回収会社の人が自宅や職場に押しかけてくると聞きます」 ( 同 )



 もちろん、大学卒業後きちんと就職し、返済能力があれば問題ない。 だが、例えばAさんの息子は大学卒業後の 「IT企業」 というふれこみのブラック企業に入ってしまい、わずか8ヵ月で退職。 現在は、ゲームセンターのアルバイト店員をやっているが、 「借金200万~300万円を14年かけて返済する計画ですが、月収15万そこらのあの子に返せるわけがない。 どうすればよいのか ……」 と困惑する様子を見せる。

 また、借金数百万円を抱えたフリーターは結婚も難しい。 Aさんの息子も 「彼女も同じ大学の同級生でやっぱり奨学金の借金が300万円。 仮に2人が結婚したら、借金600万円夫婦の誕生」 ( Aさん )という状態だという。

 この状況を見かねたAさんは、借金返済のため工場勤務の帰りにスーパーのレジ打ちのパートのかけもちを始めた。
「結局、何も考えず、Fランク大学なんて進学したのが運の尽き。 高3の時に必死で就活させるか、コックやIT関係の技術者など “手に職系” の専門学校に行かせるかしておけばよかった」

 




   


 1990年代、大学の設置基準緩和により、多数の私立大学が乱立しました。
 その結果、 「大卒の生涯賃金は3億円( 平均年収750万円 )」、 「無名の大学でも大卒だから高卒よりは就職に有利」 と考える多くの親子がFランク大学のカモにされました。

 募集要項の 「要大卒以上」 とは、偏差値の高い大学を指します。
 「○○大学」 と名前がつけば、どこでもいいというわけではありません。
 誰でも入れるような大学を卒業しても大卒とは見なされません。
 就職難や学生ローン滞納問題を見ればわかります。
 しかし未だにFランク大学に搾取される親子が後を絶ちません。
 国民の財産を食い潰すFランク大学は全廃するしかありません。

 企業としては、大卒なら高卒以上の賃金を支払わなければなりません。
 ということは、企業は単なる大卒の肩書きではなく、大卒なら大卒に相応しい学力や知性を持った人材を求めるのです。
 Fランク大学の学生は、基礎学力が担保されていないので、学歴フィルターで門前払いされます。
 be動詞もわからないような大卒なんて、採用したくないわけです。
 そして高卒以上に就職が難しくなります。
 だから誰でも入れるような大学には、通って( 通わせて )はいけません。
 勉強ができないのなら手に職をつけさせる。
 このような英断が親にも教師にも求められるのです。
 「三流でもいいから、とりあえず大学へ」 という昭和的価値観は、就職難や学生ローン滞納問題を見ればわかるようにすでに破綻しています。

 Fランク大学の 「F」 は Border Free の 「F」 です。
 大幅に定員割れしていて、入試のボーダーラインがなく、願書を出せば入れるような大学。
 総じて偏差値が低く、名前も聞いたことが無いか、馬鹿大学で有名。
 私学助成を貰うための規定人数を集めているだけの大学で、文部科学官僚の天下りと自民党文教族議員の金儲けのためにつくられる。
 留学生と言う名の出稼ぎ労働者( 主に中国人 )が多数籍を置くが、ほとんど学校には来ないような大学もある。
 企業の人事担当者もそういうことを見透かしているから、Fランク大学を卒業しても、大卒とは見なされず就職活動では全く相手にされない。





東京富士大学
平成 26 年度
一般入学試験問題(Ⅰ期A日程)
数学
http://www.fuji.ac.jp/ad/assets/pdf/past_problems/2014_1ma.pdf

因数分解?
5択なら、因数分解しなくても、とりあえず、5式を計算すればいいじゃん。
意味が無い。




東京富士大学
平成 26 年度
一般入学試験問題(Ⅰ期B日程)
国語
http://www.fuji.ac.jp/ad/exam/past_problems.html

「吾輩は猫である」 は、さすがに知っているだろ ……
常識人ならば!




東京富士大学
平成 24 年度
一般入学試験問題(Ⅰ期A日程)
国語

あれ? 通常は 「ゆいいつ」 だけど 「ゆいつ」 の読みもあったんじゃねーか?
…… と思って調べたら、やっぱり 「ゆいつ」 も可。

おいおい! 出題者側にも、問題あるじゃねぇ~か ……
…… というか 「ゆいっつ」 ってなんだよ。

ヤバいよ大卒。
ヤバいよ日本。




東京富士大学
平成 26 年度
一般入学試験問題(Ⅰ期A日程)
日本史

「倉庫」 や 「石室」 に住んでいたら、おかしいだろ?
「○○住居」って書いている段階で、正解わかる。
…… というか、小学校の 「社会」 で習う教養。 「日本史」 というレベルじゃない。

その他にも、入試内容が公表されている。
http://www.fuji.ac.jp/ad/exam/past_problems.html




2014年度 湘南工科大学 工学部
数学

おい …… 工科大学 の 工学部 って、当然、理系だろ。
中学1年レベルの数学。




湘南工科大学
平成 26 年度
一般入学試験問題
数学

いや …… だから …… 理系大学だろ?

http://www.sh.shonan-it.ac.jp/contents/admissions/8_545198699ab1c/index.html




湘南工科大学附属高等学校
平成 26 年度
一般入学試験問題
数学

因みに、附属高校の入試問題(↓)です。
http://www.sh.shonan-it.ac.jp/contents/artis-cms/cms-files/20141031-151851-7901.pdf




千葉科学大学
2014年度
一般入学試験問題(A方式)
数学

科学大学なんだろ?
なんで、中学レベルの 「化学」。

http://www.cis.ac.jp/examinee/examinfo/paper



       
宮崎国際大学
平成25年度一般入試
(前期日程)


http://mic.ac.jp/pdf/kakomon_h25/2013MIC_General-A_Japanese.pdf




いわき明星大学 薬学部
平成 27 年度
一般1期入学試験問題
数学

問1 …… 正四面体のサイコロを 2回しか振らない( 笑 )
16通り しかないので、全部書き出せば、余裕で正解がわかるヨ。

し・か・も 選択式( 笑 )
高校レベルの数学を理解していれば、間違えようがない。
こんな数学レベルの 「薬剤師」 はイヤだ。

過去の入試問題を閲覧できます。
http://www.iwakimu.ac.jp/exam/pastquestion.html



これが、大学の 期末試験?

ネタ …… だよね?
小学生の、夏休みの作文?



( 2019.05.05 )
F
   


 平成30年版の 「男女共同参画白書」 (内閣府男女共同参画局)によると、平成29年度における女子の大学への進学率は49.1%。 これに短大進学率8.6%を合わせると57.7%となり、男子の大学進学率(55.9%)を上回る計算となる。

 今や女子の2人に1人が大学に進学する時代となったが、学生の質はさまざまだ。 世間の 「女子大生」 イメージといえばキラキラとしたキャンパスライフやミスコンを想像しがちだが、現実にはそうしたイメージとかけ離れたケースもある。 特にいわゆる “Fラン(=Fランク)” と呼ばれる偏差値の低い大学では、想像を絶する授業態度を取る女子学生も少なくないという。 都内の某女子大の女性教員・Aさん(30代)が明かす。
「先日は 『先生、これから歌舞伎町のホストクラブに行くから授業早退しまぁす!』 と元気よく叫んで帰って行った女子学生もいました。 後日、話を聞くと 『ホストの沼にハマっていて、担当(自分の好きなホスト)のために稼ぎを全部使っている』、 『ホストのために遅い時間の講義は入れない』 と話していました。 まだ大学2年生なのにどんな生活をしているのかと不安になりますね。 しかし教員という立場上、プライベートな内容に深く介入することもできない現状です」
 また、講義中に不適切な行動を取る学生も少なくないという。
「講義中に机の上に足を乗せている学生、靴と靴下を脱いで裸足になり椅子にあぐらをかき、足の裏をかいている学生もいます。 ほかにも超ミニスカートで下着が丸見えでも気にしない学生、講義中に化粧し続けている学生などさまざま。 過去には、90分の授業に耐えられず教卓の前で大きな声を出し 『90分マジでダルい』 と睨みつけてくる女子もいました。
 品行方正、気品のある女性を育成すると大学側が美辞麗句を並べていても、それ以前のレベル。失礼ですが親がどのように育てたのだろうかと疑問に思うことも少なくありません。 女子大だから、ということではなく、やはり偏差値の低さと授業態度は相関関係にあるように思います」
(Aさん)



 ただ、そんな不適切な行動を取る女子大生たちが、必ずしも “派手” で目立つような “ギャル系” グループばかりというわけではないようだ。 都内の別の女子大の男性教員・Bさん(30代)は、不真面目な女子大生にも様々なタイプがあると語る。
「ギャル系というか、派手なタイプの “陽キャ” の子たちの中に騒いだりする子がいるのは、想像通りだと思います。 パソコンルームの講義なのに飲み物や食べものをパソコンの前に広げ、その場でフルメイクをする子や、スマホのインカメ(内蔵カメラ)で自撮りをしている子もいます。 昨年はフォロワーが1万人ほどいるという “インスタグラマー” の学生がいたんですが、講義中にブランドもののバッグとコスメを並べて、真剣に写真を撮っていましたね。
 ただ一方で、 “陰キャ” と呼ばれる地味な子たちの中にも、講義中に音を出してスマホのソシャゲ(ソーシャルゲーム)をやっていたり、男性アイドルや男性声優の動画を流して、集団で爆笑して騒いでいる子たちがいます。 アイドルソングを歌っている子もいました。 注意すると睨み返してきたり、あるいは私を完全に無視したりもします」
 ある時は、講義中にお菓子を広げて、数人で “お菓子パーティ” をはじめた学生もいたというから驚きだ。 このような授業態度の悪さは、講義やレポートに対する意識の引さにも繋がってくる。Bさんが続ける。
「レポートやプレゼンテーションの授業では、インターネット上のサイトの丸パクリや他人の創作物のコピペが横行しています。 本人たちはバレないと思っているようですが、教員にはすべてバレています。 私は他の大学でも講義を受け持っていますが、Fランになるほど、権利意識の低さが目立ちますし、自分から能動的に学ぶ姿勢がない学生が多い印象です」(同前)
 もちろん、 “Fラン大学” の学生がすべてそうだとは言わないが、こうした授業態度をとる学生が存在することで、学ぶ姿勢のある学生の意識低下を招いてしまうという悪循環がある。 特に女子大には男性の視線がない分、女子中学や女子高校の延長のような感覚のまま大学生活を終えてしまう学生も少なからずいるようだ。



( 2019.03.30 )
F
   


 本人にやる気があれば、大学名など関係ない

 3月上旬、ネットで大いに話題になったのが、ある学生が “告発” した就職活動における学歴フィルターの実態だ。 その学生は、就活サイトで説明会の予約をしようと思ったところ満席と表示されたため、大学名を変えたところ空席と表示されたとのこと。 学生が、 「Fラン大学の仲間のみんな~!強く生きていこうな~!」 とツイートすると、 「まだこんなことをしているのか」 「しょうがない」 と、賛否の声が渦巻き、大論争となった。

 Fラン大学とは 「Fランク大学」 のことで、様々な定義はあるようだが、一般的には偏差値の低い大学を総称する言葉として使われている。 大学進学率が50%を超え、 「本をまったく読まない大学生が50%以上」 といったデータも登場するなど、大学生の質の低下はしばしば問題視されるが、いわゆるFラン大学にも極めて優秀な学生は存在する。 県下有数の進学校でトップクラスの成績だったTさんは、なぜFラン大に進んだのか?

 Tさんが生まれ育ったのは、近畿地方の人口5万人ほどの小都市。 全国的な知名度はまったくない地味な街に生まれたTさんは、公務員の父を持つ3人兄弟の家庭で育った。

 世が世であれば、Tさんは誰もが知るような一流大学に進める可能性を持っていた。 幼い頃から読書好きだったTさんは、小学校の頃から大変成績が良く、小中学校ではほぼトップ。 高校は学区トップの公立高校に進み、そこでも上位1割以内の成績を収めていた。 その高校は、毎年東大や京大にも合格者を出す名門高校で、地元選出の国会議員もその高校の卒業生。 しかしTさんに与えられた選択肢は、極めて狭かった。
「我が家は兄・私・弟という3人兄弟ですが、勉強が得意なのは私だけでした。 経済的にもけっして余裕がある家ではなかったので、当初は両親も 『大学に行かせるのはTだけ』 と考えていたようです。 ところが、運動が大変得意だった2歳上の兄が体育大学の推薦をもらい、一人暮らしをしながら大学に通うことになりました。 その時点で親から、 『もうひとり、一人暮らしをさせるのは無理』 と言われました」

 授業料が4年間全額免除に

 上京して都心部の大学に通えば、アパートの初期費用だけで20万~30万円は必要だ。 そこに学費、仕送りを加えれば、年間の費用は100万円でも収まらない。 もちろん本人がバイトをしたり、奨学金をもらったりする必要もあるだろう。 そうした状況で、Tさんは上京することなく、自宅から通える大学への進学を目指すことにした。
「調べてみると、自宅から通える大学は3つしかありませんでした。 3つと言っても、そのうち2つは片道1時間半ほどかかる距離です。 自宅から1番近い公立大学を第一志望に定め、模試では合格ラインに達していましたが、結果的に落ちてしまいました。 学校の教師や予備校の先生からは浪人することを強く勧められましたが、経済的に浪人する余裕はないので、合格した大学に入ることにしました」
 Tさんが入学したのは、いわゆるFラン大学だ。 大手予備校の偏差値分布を見ると、その大学より偏差値が低い学校はほんのわずかで、入試結果を見るとほぼすべての学部の合格率が100%。 しかしTさんにとっては結果的に良いこと尽くめだったという。
「まず、入試の成績が良かったようで、授業料が4年間全額免除になりました。 調べてみると、入試の上位5人が全額免除になるようです。 さらに全額免除の学生は、資格講座の補助授業の受講料も無料になります。 私は大学で資格を取りたいと考えていたので、とても助かっています。
 教授たちは、私が特待生だということを知っていて、とても丁寧にサポートしてくれます。 テキストや過去問はしょっちゅうタダでもらっていますし、資格取得の講座はほぼ1対1です。 バイト先も 『Tさんは家も遠いし、勉強もあるから大変でしょ』 と、学内でできる仕事を紹介してもらいました」
 大学側としても優秀な学生に入学してもらって、さらには資格取得の実績を増やしたいという目論見があったのだろう。 結果的にTさんにとっても大学にとってもまさにWin-Winとなった。 本人にやる気さえあれば、たとえ望まずFラン大学に進んだとしても下を向く必要はないのである。



F
   

 2020年卒業予定の大学生たちは、夏休みのインターンシップへの申し込みを皮切りに事実上の就職活動をスタートさせている。 今後、会社説明会(セミナー)やエントリーシート提出などで本格的な採用選考が始まる。 その際、大学名でこっそり学生をふるいにかける 「学歴フィルター」 が仕込まれていることがある。 だが、残念ながら、いわゆるFラン大学の学生は 「不利な状況を、さらに自ら不利にしている」 と専門家は指摘する。

 大学名でこっそり学生をふるいにかける 「学歴フィルター」 は確かに存在する。 低選抜大学(この中に、いわゆるFラン大学が含まれる)の学生にとって不利なのは事実だ。 だが、やり方次第で彼らは上位大学の学生と伍して戦える。 それはこれまで私が就職コンサルタントとして指導してきた経験から自信を持って言える。

 だが、残念ながら意欲の面で彼らが上位大学の学生に見劣りすることがある。 意欲は就活における行動量に直結する。

 厚労省関連で就活生向けに情報提供や対策講座などのサービスを行う団体の担当者から聞いた話だ。
「就活の解禁にあわせて、私たちも業界研究やエントリーシート対策講座などのサービスを開始しますが、最初は上位大学の学生ばかり来るんですよ。 中堅大学も来ますが少ないですね。 低選抜大学(この中の一部はFラン大学)にいたってはさらに少ないのです。
 ただでさえ上位大学が有利なのだがら、個人的には中堅大学や低選抜大学の学生に頑張ってもらいたいんですよ。 でも残念ながら来てくれないんですよね。 各大学へは偏差値に関係なく満遍なく広報しているんですが、どうしてでしょう?」
 就活の行動量、活動量は概して上位大学の学生の方が多いというのだ。 定量的なデータがないので数字で証明することはできないが、長年学生を見てきた私も同感である。 これがさらに上位大学が有利な状況に拍車をかけている。

 私はいわゆるFラン大学の学生を否定したいのではない。 彼らを指導することにやりがいを感じているし、長年応援してきた。 そして上位大学に伍して戦い、大手企業から内定を得た学生も知っている。 ただし、そのためには学生本人に意欲がなくては難しい。

 だが、偏差値の低い大学の学生には、意欲を失ってしまったように感じられる人もいて、とても悲しくなる。

 それなりに長い年月この仕事をしていると、毎年私が講演をしている大学の中には、ゆっくりと偏差値が下がっていく大学がある。 昔と今で明らかに雰囲気が違う。

 偏差値が高かった頃は学生が 「ピシッとしている」 印象があった。 私の講演中、学生は話に集中して、あまり動かない。 またほとんどの学生が講師の私に視線を注いでいた。 外部の講師から 「自分たちがどう見られているか」 を意識しているように感じられた。

 偏差値がやや下がった今はどうか。 「だらっとしている」 印象になった。 話に集中せず、ごそごそ動く学生が増えた。 講師を見ずにパンフレットやスマホを見ている。 必然的に私と目が合う学生が減った。 外部の講師から 「自分がどう見られているか」 を意識していないようだ。 特に男子学生にそのような傾向を感じる。

 「学歴偏重、偏差値至上主義は諸悪の根源だ」 という批判は昔も今もある。 しかし良し悪しは別として、偏差値は何かの事実を物語っている。

 私は社会的公正という観点から見て、学歴フィルターには問題があると考えている。 しかし現場で学生と長年接していれば誰でも自然と気づいてしまう。 そして多くの企業の人事はそのことを知っている。 それは企業が学歴差別を行う理由の一つと思われる。



( 2017.05.23 )
F2000
   


1

 何やかんやと綺麗事を言っても、今の日本はまだまだ学歴社会。 いわゆる 「Fランク」 と呼ばれる大学を卒業しても、そこから経済的に大きな成功を収めるのはなかなか難しい。 ところが、東京都に住む40代の男性・Kさんは、Fラン大学を卒業したにも関わらず、ここ数年、年収が2000万円を切ったことがないという。 Kさんはどうやって “勝ち組” にのし上がったのか?

 Kさんはもともと都立高校の出身。 その高校は学区内でトップクラスの進学校だが、あまりマジメな生徒ではなかったKさんは、2浪の末、ようやく偏差値が40台半ばの大学に合格した。 大学では、特に何も考えずに中国語を専攻。 大学時代は映画サークルに入り、映画づくりに没頭した。

 サークル活動にのめり込みすぎたKさんは1年留年し、社会に放り出されたのは25歳の時。 「Fラン+2浪+1留」 というKさんにまともな就職口などあるはずもなく、そのままフリーター生活に突入したが、半年後に一念発起する。 Kさんが振り返る。

 「卒業後にバイト先として選んだのは、サークルの先輩がやっている映像制作会社でした。 仕事自体は楽しいんですが、とにかく給料が安くて……。 昼夜逆転のうえ、ひと月働いて10万ちょっとの給料ではとてもやっていられないと思い、半年で辞めました。 そして、 『語学ができればなんとかなるだろう』 と思い、中国に1年間、語学留学しました」 (Kさん。以下「」内同)

 中国では1年間マジメに勉強し、帰国後は就職活動をしたものの、 「1年程度の留学経験では評価してもらえなかった」 という。 仕方なく、もともと働いていた先輩の映像制作会社に舞い戻ったが、2007年に見事に “ワンチャンス” をものにする。

 「ある時、大手TV局から 『中国の面白映像を編集する』 という仕事のオーダーがありました。 最近よくある、海外の面白動画を紹介するような番組です。 動画を編集して納品すると、映像を確認したTV局のスタッフたちが、 『これ、字幕がいるだろ?』 『もう間に合わないですよ!』 といった会話を始めたんです。 そこで、 『ボク、中国に留学してたんで、(字幕を)やりましょうか?』 と言うと、 『ホント!? じゃあやってよ!』 ということになり、大いに感謝されたんです」

 それ以来、 「編集もできて、中国語もできるヤツがいる」 と、Kさんのもとにはバンバン仕事が舞い込むようになり、Kさんは独立を決意。 今では10人近くのスタッフを雇い、年商は1億円にも届く勢いだという。 Kさんは語る。
「私より中国語ができる人はいくらでもいますし、映像の編集も私より上手い人はいくらでもいるでしょう。 けれども、両方できる人はなかなかいません。 よく 『就職のため』 『将来のため』 といって、海外に留学して語学習得に励む人がいますが、そういう人にはぜひ 『もう1つ “武器” を持て』 と言いたいです」
 Kさんによれば、中国モノの映像編集の仕事は増える一方で、 「ずっと猛烈な追い風が吹いているようなもの」 だとか。 ワンチャンスをつかめるか、そもそもそういったチャンスに出会えるかどうかは運次第としか言いようがないが、 「語学以外のもう1つ武器を」 というアドバイスは、聞いておいて損はなさそうだ。